❝基本❞を見つめ直した菊池選手の自主トレ取材
プロ野球のキャンプが始まった。3月25日の開幕に向けて自己の鍛錬とアピールが必要になる選手たち。
カープは今シーズンどのような戦いを見せるのか。想像が膨らむ球春である。
今季のカープでレギュラーが確約されているのは、セカンドの菊池涼介だけ。佐々岡監督ら首脳陣からも厚い信頼を寄せられている菊池選手は先月、静岡で自主トレを行っていた。
私もPCR検査で陰性を確認し静岡へ。今年でカープを担当して9年目になるが、菊池選手の自主トレを取材したのは初めてだった。
「菊池選手、今年もお願いします」「無理です!(笑)」。菊池選手らしさあふれる“口撃”を受けながら私の9年目シーズンも幕を開けた。
菊池選手の自主トレで注目したのはノック!9年連続ゴールデングラブ賞を受賞している名手は、シーズン最初のトレーニングでどのように守備練習をするのか。
試合では華麗な守備がクローズアップされがちだが、自主トレ中のノックでは緩いゴロに対して体を入れる角度やロスなく送球動作につなげる“基本的な動き”を繰り返し確認していた。
「基本の部分、細かいところをやっているが、みなさんが思っている基本と僕らの思っている基本は違うかもしれない。基本っていうけど基本は人それぞれなので」。
この菊池選手のコメントを聞いて、侍ジャパンの内野守備走塁コーチを務め東京五輪の金メダル獲得に貢献した井端弘和さんの話を思い出した。
井端さんは、「少年野球とかで内野ゴロを捕る時、基本は前に出ること!と教えられるけど、実は前に出ても一塁に送球する時間は短くならない。前に出ることでバウンドを合わせづらくなることもある」。
1人1人、体の大きさや体格なども違う。基本と言われていることが自分には合わないこともあるかもしれない。
野球に限らず何事も“自分に合った基本”を身に付けることで進歩することもあるだろう。
カープ担当9年目の私も改めて取材の基本を見つめ直し、カープの動向を追いかけていく。