2018年度放送分

リードバック(ケニア)

ケニアのアバディア国立公園でリードバックのメスの群れに出会いました。リードバックは牛の仲間で草食の哺乳類。肉食動物から身を守る為、日中は暑さを避けて葦原(あしはら)や草むらに潜んでいます。いつも警戒しながら群れで暮らしているのでこちらが撮影し始めると、草を食べながら敏感にこちらを見ていました。

キタキツネ(北海道)

国後島を望む北海道の標津でキタキツネを見つけました.雪の中で日差しを受けながら寝ています。キタキツネは本州・四国・九州に生息するホンドギツネよりも全体的にやや大きく、耳の裏と四肢の足首の部分が黒いキツネ。休んだ後、荒野を歩きだしました。

イソシギ(広島市縮景園)

イソシギが広島市縮景園の池のふちにいました。尾を頻繁に動かしながら、腰を上下に振りながら歩いています。イソシギはチドリ目シギ科に分類される鳥で、日本の多くの場所に生息しています。「磯鷸(いそしぎ)」という名前ですが、磯よりも河原や湖沼などの淡水域で見られることが多い鳥です。

ミアーズ氷河(アラスカ)

アラスカ州の南岸にあるプリンス・ウィリアム湾には1万もの氷河があり、そのひとつがミアーズ氷河です。この海域では、クジラやイルカ、ラッコ、トド、アザラシと言った海洋生物が海面に姿を現します。ミアーズ氷河は、大型で唯一海水面の氷河で、その幅は約1.6kmもあります。しかしアラスカの氷河は、地球温暖化による平均気温の上昇や大気の流れの変化により縮小し後退し続けています。

ナンヨウマンタ(インドネシア)

インドネシアの小さなサンゴの島サンガラキ、この周辺にはマンタがよく現れます。マンタはエイの仲間では最も大きくなる魚で、体の幅は最大4m。マントのような姿のため、「マンタ」の通称で呼ばれています。大きいものでは体の横幅8m、体重3tに達します。熱帯の海のごく表層を遊泳し、泳ぎながらプランクトンを食べています。

エゾリス(北海道)

エゾリスを雪の森で見つけました。エゾリスはユーラシア大陸に広く分布するユーラシアリスの亜種で、北海道全域の平野部から、標高1700m程度までの常緑針葉樹林や落葉広葉樹林に広く生息しています。冬には秋に蓄えたクルミやヤマブドウ、ドングリやイチイなどの木の実を探して食べています。雪が50cm程も積もっていても、中から埋めておいた食べ物を探し出すことができると言われます。

オシドリ(鳥取県日野町)

鳥取県日野町を流れる日野川には、秋から春先にかけてオシドリが飛来します。多いときには1,000羽以上の姿を観察小屋から間近に見ることができます。オシドリはシイやカシのドングリを好み、川の底に潜水しドングリを拾い食べます。オシドリのオスは派手な冠羽など美しい色彩の羽毛を持ち、その姿は美しく、色彩の地味なメスと一緒にツガイでいることが多く、オシドリ夫婦の名の由来となっています。

ツグミ ムクドリ(三次市)

広島県の北の町、三次市に雪が降り始めました。住宅街の空き地にある柿の実を野鳥が忙しく食べています。元々ここを縄張りにしている留鳥のムクドリと後からやって来た冬鳥のツグミです。山にも街にも食べ物が少なくなった冬、人が収穫しなかった柿はご馳走です。あたかも両者による柿の争奪戦と化しています。

雄川の滝(鹿児島県)

「雄川(おがわ)の滝」はNHK大河ドラマ「西郷どん」のタイトルバックに出てくる滝として有名になりました。特に滝つぼは透明感があり、エメラルドブルーに輝く水面が印象的です。場所は大隅半島の南大隅町を流れる雄川の上流。滝は落差46m、幅60m、大地をえぐるような滝の一帯は、荒々しい岩があらわになった渓谷です。白糸のように流れ落ちる滝、荒々しくそそり立つ岸壁、岩の間からしみ出す清冽な水と見るものを圧倒します。

ハミングバード(コスタリカ)

アメリカ大陸に生息するハミングバード(英名)は「ブンブン」 とハチと同様の羽音を立てるため、和名ではハチドリ(蜂鳥)と名付けらました。毎秒約55回、最高で約80回の高速ではばたき、空中で静止するホバリング飛翔を行い、静止しながら、花の中にクチバシをさしこみ、蜜を吸うという独特の食事の取り方をしています。

キンロバイ・クロユリ・タニウツギ(新潟県谷川岳)

谷川岳(たにがわだけ)は標高1900メートルで群馬・新潟の県境にある三国山脈の山です。谷川岳は高山植物の宝庫で可憐な花が次々と咲きます。
岩場に咲いているキンロバイ。高山帯の草地に自生しているクロユリ。鐘型の花が美しく、かつユニークです。比較的低い場所に咲いているタニウツギもよく見られる花です。

ホンドタヌキ(広島市)

広島市を流れる京橋川の川岸にタヌキの親子がいました。タヌキは元々極東のみに生息する珍しい動物です。1960年代くらいまでは毛皮にするために乱獲され絶滅の危機にありましたが近年は利用価値が低下し増加傾向にあり、作物や残飯目当てに人家周辺に出没しています。

ビーバー(アラスカ)

ビーバーは水辺の木をかじり倒し、泥や枯枝などとともに材料として、川を横断する形に組み上げ、大規模なダムを作ります。またダムによってできた“ダム湖”の中心部にも木を組み上げ、密閉された個室状の巣を作ります。木を山ほど積み上げて、家族で暮らせる家となります。

ブラックフィンバラクーダ(インドネシア)

ブラックフィンバラクーダはカマスの中でも体長1メートルにもなる比較的大きな種で鋭い牙を持っています。 細長い体、白い腹に青い背と縞模様の体、黒い尾びれが特徴です。この海域は海底が落ち込み海流などの関係からたくさんの魚が集まり、珊瑚も多く生息しています。そこで肉食で小魚を捕食するバラクーダの住処になっています。なぜ渦を巻くのか?外敵から身を守るため、捕食のため、産卵のためなどいろいろありますが、今のところ明確な答えが見つかっていません。

アオウミガメ(インドネシア)

インドネシア沖のサンガラキはアオウミガメの産卵場所として有名な島です。
夜、浜では一日に5~6箇所で産卵が行われます。しかしアオウミガメの肉や卵は、昔から食用として人気があり多くのアオウミガメがつかまって、今ではあちこちの海で数が減り「絶滅危惧種」に指定されています。そこでサンガラキでは、一旦卵は保護し、ふ化した小亀は夜海に返されます。

バイカモ(広島県庄原市西城町)

庄原市西城町の田んぼの用水路でバイカモを見つけました。バイカモは冷涼で流れのある川に生育し、初夏から初秋にかけてウメの花のような白い花を水中につける花です。冷水を好むため、北日本では水路や河川などに広く分布しますが、西日本などでは上流や湧き水のある地域に分布域が限られます。広島県では北東部の水田溝や小流に点在していましたが、水路のコンクリート張りや清掃のために消滅した所が多い状況です。

白糸の滝(長野県軽井沢町)

軽井沢(長野県)と北軽井沢(群馬県)を結ぶ白糸ハイランドウェイ沿いにある高さ3m、幅70mと連なる「白糸の滝」は、地下水が岩肌から湧き出したものです。 絹糸のような水が幾重にも降り注ぎ、清水が流れ落ちることから白糸の滝と命名された。滝の上には山地の渓谷の湿った場所に生育するタチカメバソウが、滝つぼには丘陵地や山地の渓流に生息するミヤマカワトンボがいた。

モズの子育て(広島県三次市)

三次市のピオーネ畑の棚にモズが子育てをしていました。モズは全長20cmの農耕地や林緑、川畔林などに生息している野鳥です。卵を6個産み21日目でふ化し雛が生まれました。そして2週間後にヒナが巣立ちしました。ただ1羽しか巣立ちできませんでした。ぶどう棚は巣がかけ易く、人の出入りもあり天敵のトビやカラスが来ないので安心な場所でした。しかし、屋根にビニールが架けてあり温度が上昇しヒナが弱り一羽しか巣立ち出来なかったのです。

コチドリ(広島県三次市)

春、水を張った田んぼにコチドリがいました。コチドリは目の周りに一際目立つ黄色い”アイリング”があるのが特徴です。全長が約16 cm、日本のチドリ類では最も小さいチドリです。田んぼの中を、ちょこまか、ちょこまかと、せわしなく歩きながら、ミミズを見つけて食べました。そのあと気持ちよさそうに水浴びをしました。水浴びは羽根に付いた、埃や寄生虫、積もった脂粉を落とすためと言われています。

エヒメアヤメ(広島県三原市)

エヒメアヤメは中国大陸を分布の中心とするアヤメ科の多年草で、氷河期に日本列島が朝鮮半島と陸続きであったことを植物学的な証拠として示す貴重なものです。
三原市沼田西のエヒメアヤメは広島県で最初に発見され、国の天然記念物に指定されました。保存にあたっては、地元の沼田西町エヒメアヤメ保存会と市教育委員会が協力して、毎年自生地の下刈りなどを行っています。

ホテル前の楽園 グアム島(アメリカ)

グアムといえば日本各地からアクセス良好な人気のリゾート。多くのホテルが並ぶ遠浅のビーチを少し沖へ泳ぐと、手軽にサンゴや熱帯魚の観察が出来ます。水面には細長いセンニンサヨリ、群れになる青色のデバスズメダイ、色鮮やかなムラサメモンガラ、アカヒメジなどです。海が綺麗で年中透明度が安定しているのはサンゴが海中の二酸化炭素を吸収して体内で光合成を行い、酸素と一緒にミネラルも水中へ放出することで浄化作用が起き、海水を綺麗に保てています。

子宝 ケリ(広島県三次市)

水田でケリが子育てをしていました。ケリは全長およそ35cmの脚の長いチドリの仲間です。春に畦などで卵を産み、田んぼで子育てをします。カラス、犬、人など巣に近づく外敵には上空から急降下して襲い、羽を大きく広げて驚かせ甲高い声で「キリッ、キリッ」、「ケリッ」、「ケケッ」と鳴き威嚇します。そのあと親はヒナを羽の中に入れ抱いて守っていました。

ヨシ原に守られて オオヨシキリ(山梨県河口湖)

富士山麓の河口湖。湖畔に立つとヨシ原から「ギョギョシ、ギョギョシ…」という大きな声が聞こえました。オオヨシキリの声です。大きな声で鳴くことで縄張りを主張しています。オオヨシキリは夏鳥で、南の国から4月ごろ日本へ渡ってきます。このヨシ原はオオヨシキリの繁殖場所でもあり河口湖の浄化にも役立っています。

ひなたの翁草 オキナグサ(広島県庄原市)

備北路の里山で、春の季語になっている野草の花を見つけました。オキナグサです。花は赤紫色で、鐘(かね)の形をして全体的に白い毛でおおわれています。花の後にできるタネに白く長い毛があり、そのタネが密集して風にそよぐ姿を老人の白髪に見立てて「オキナグサ(翁草)」と呼ばれています。オキナグサは本州、四国、九州の日当たりのよい草原や林縁に生える多年草ですが、少なくなり環境省によって絶滅が心配される花に指定されています。近くで鳴いているのは春を代表する鳥ウグイスです。