2019年度放送分

蘇る清流/サツキマス(北広島町)

サツキマスは沿岸域または湖沼で生活した後5~6月に河川に遡上します。遡上後はほとんど餌を摂らず高水温を避け、増水時に産卵のために川をのぼります。10月下旬頃、河川上流域で産卵し産卵後は死んでしまいます。広範囲を移動するため環境の影響を受けやすいのですが近年、魚道の整備などにより生息環境は守られています。

アヤトリカクレエビ(フィリピン)

アヤトリカクレエビは宿主によって体色が変わります。宿主そっくりで色も柄もそのままです。アヤトリカクレエビという和名が付けられたのは近年で、それまでは、多くのダイバーにクルクルカクレエビの愛称で親しまれていました。

スイセン(島根県益田市)

鎌手海岸では200万球を超える日本水仙を見ることができます。珍しい岩脈は国の天然記念物となっていて青々とした日本海、蛇岩に激しくぶつかる波しぶきそしてスイセンの気品あふれる姿が織りなす風景が広がります。

ハクトウワシ(アメリカ)

ハクトウワシは翼を広げると2.5メートルにも達する大型のワシ。米国の国鳥に選ばれたのは、米国独立から間もない1782年。当時は約10万つがいが生息していたとされていましたが乱獲や開発などで減少しました。1963年に、つがいの数が417組にまで激減していましたが徹底した保護策で、現在は約1万つがいにまで回復したといわれています。

100キロの奥地で/ホッキョクグマ(カナダ)

ホッキョクグマは地上最大の肉食動物です。現在の推定個体数は26,000頭。一時、狩猟などにより絶滅が心配されましたが、国際的な保護活動により危機を脱しました。現在は新たに、地球温暖化や北極圏の環境悪化などの影響を受け個体数が減っていると見られています。母グマは12月ごろに子供を産み2月の中旬まで食事をとらないまま子育てをします。その後、エサのある海岸線に向かって移動をはじめます。

グレートコール/キホオテナガザル(ベトナム)

キホオテナガザルはベトナム近郊に生息する珍しいサルです。金色の毛で生まれ、後に変わります。非常に機敏で高い木がある生息地で警戒しながら生活しています。ベトナムで最高レベルの法的保護を受けられますが、森林伐採と相まって絶滅の危機にあります。縄張り意識が強く、つがいが歌で縄張りを宣言し侵入者を追い払っているといわれています。複雑な発声の組み合わせで数十分にわたり、毎日ほぼ決まった時間帯に繰り返されます。

水際で防ぐ/タンチョウ(北海道)

タンチョウは日本の野鳥の中でも最大級で全長140cm、翼を広げると240cmに達します。生息地は北海道の東部に限られます。夏期は湿原に分かれ営巣・育雛を行い、冬は里の近くへ移動し群れで生活します。生息地である湿原の面積は減少する一方で、残されている湿原も保護指定がなされていないところも多くいつ開発されてもおかしくない状況です。

子育てに参加/エナガ(広島市)

枝の根元に作られた巣で、子育て中の鳥、エナガをみつけました。
親鳥はえさ運びに追われています。真白に長い尾羽が特長の可愛い小鳥です。
全長は14センチ。苔とクモの糸などを使って巣をつくります。
繁殖期はふつうオスとメスのつがいとなりますが、ヒナにはつがい以外の鳥もエサを与えて子育てに参加する、いわゆるヘルパーをする現象が見られます。

砂の大地に適応/オリックス(ナミビア)

オス、メス共に真っ直ぐに伸びた非常に美しい角を持ちます。
ナミブ砂漠などの乾燥した場所に生息し、脚は広がり砂地を歩きやすいように進化しています。
日中の気温がかなり上がる場所では日差しと高温を避けるため木陰に入ることも。
ナミビアの野生動物は政府が保護区の維持に充てている潤沢な予算で守られています。

毒で勢力拡大/ハナミノカサゴ(高知県)

全長が40cmほどで、沿岸の浅場の岩場やサンゴ礁、洞窟の入り口などの場所でよく見られます。
小魚やエビなどの甲殻類を食べます。
大きな胸びれを利用して、これを広げて、小魚を追い込むようにして捕らえます。
背びれと胸びれが大きく、ゆったりと泳ぐ姿は美しいですがすべての棘には毒があります。

生存のコツは偏食なし/アカビタイチャイロキツネザル(マダガスカル)

普通は5~12頭程度の群れで生活しています。
多い時には30頭近くの群れをつくることもあります。
主に昼間に活動しますが、乾季などは夜間活動することも。
ほとんどの時間を樹上で過ごし、たまにしか地上に降りません。
長くて太い尾は樹上でバランスを取るのに役立っています。
跳躍力にも優れていて、樹間を巧みに移動することができます。
果実や木の実花などのほか、樹皮や樹液、昆虫類やクモ、鳥の卵など何でも食べるので個体数は増えています。

渓谷の涼を求め/カラスアゲハ(島根県)

中国山地西部、島根県益田市にある匹見峡。
清流と奇岩が織りなす多彩な渓谷美は約1kmにわたります。
そこで水分を補給していたのがカラスアゲハです。
黒っぽく、はねの表が緑色や青色に輝いて見えます。
都会には少なく郊外でよく見られます。
山道の湿った地面で吸水していることもしばしば。
ツツジなどの花でよく吸蜜します。

アフリカヤマネコ(ナミビア)

座った姿勢や歩き方が特徴的なネコです。
世界で広く飼育されているイエネコの起源とも言われています。
砂漠地帯に多く住んでおり、主に夜行動し獲物を探し、狩りをします。
狩りの獲物は鳥や爬虫類、虫など。
聴覚が優れていて、小動物の音に敏感に反応します。
砂漠で暮らしながらほとんど水は飲まず、水分は食べ物から摂取します。

モンハナシャコ(フィリピン)

ギョロリとした目が特徴の大型のシャコです。
体長は15センチほど。サンゴ礁や岩礁に生息。
巣穴から体を出して目をくるくる回し周囲の様子を伺います。
人間の10倍ともいわれる優れた目で様々な色を見分けます。
前脚から繰り出す強力なパンチでエサとなる貝やカニを砕いて食べます。

シジュウカラ(広島市)

安佐南区沼田町と佐伯区五日市町の境にある窓が山(標高712m)に登りました。
豊かな自然が残りハイキングコースとしても知られています。
そこにエサを捕獲したシジュウカラがいます。
胸に黒いネクタイのような模様を持った身近な小鳥です。
日本ではほぼ全国に分布していますが西日本には少ないといわれています。
木の穴に巣をつくります。

ミヤマカタバミ(庄原市)

良く増えて駆除しにくい雑草の一つがカタバミ、そのカタバミの一種で山地の日陰で見られる白い花が日本原産のミヤマカタバミです。
大万木山(おおよろぎさん)は、島根県飯石郡飯南町と広島県庄原市との境にある標高1,218mの山。滝壷の木陰にひっそりと咲くミヤマカタバミを見つけました。葉は地面から伸び、柄の長い3つのハート型の小葉をもっています。葉は直射日光が当たると下向きに閉じ、反対に花は直射日光が当たると開花する。

アオサギ(高松市栗林公園)

栗林公園の松から大きな鳥が池の鯉を見ています。アオサギです。アオサギはサギに中で一番大きなサギです。アオサギはコイを狙い飛び込みましたが、失敗です。今度は池に入って魚を探します。するとハヤの仲間オイカワを捕獲しました。この公園は国の特別名勝に指定された回遊式大名庭園です。池が多く、野鳥が生息していますが、一番目立つのはこのアオサギです。

アオハダトンボ(長野県安曇野市)

安曇野の清流蓼川(たでがわ)は、北アルプスの山々から湧き出た清流です。蓼川に回る三連の水車は、黒沢明監督の映画 ”夢”で作られたものです。この川には清流の天使と呼ばれる綺麗な小川にしか生息しないアオハダトンボが生息しています。羽がきれいな濃い青色をしており、体は全体的に金属的な光沢を持った青緑色です。川には長いナガエミクリや短いミズハコベなどの水草が生えています。

曾木の滝(鹿児島県)

鹿児島県伊佐市南部の川内川上流にある滝。
高さ12m、幅210mの壮大なスケールを誇り、別名「東洋のナイアガラ」とも称される曽木の滝。その壮観な水しぶきが見事です。水中にはハヤの仲間がいました。

ホッキョクジリス(アラスカ)

ホッキョクジリスは北極圏からアラスカ、シベリアにかけて 乾燥したツンドラや開けた草地に生息しています。体重はおよそ750g。昼行性で、一匹の雄が支配する群れで生活している。ホッキョクギツネ、クズリ、オオヤマネコ、ハイイログマ、鷲などに狙われる為に警戒心が強い。
秋には、冬眠に備えて体脂肪を増やすため、ツンドラの植物、種子、実を探し回わっている。

ハキリアリ(コスタリカ)

「ハキリアリ」は背中のトゲと長い脚が特長の中南米の温かい場所にいる体長1.5センチのアリです。高い木の上に登り、葉を探し缶切りのような使い方で顎を動かし切り取ります。体の2倍にもなる切った葉を運搬。その列は100メートルにもなります。ハキリアリの行進では、前に通った仲間がフェロモンを出すため、迷うことはありません。そして巣に運搬、木の葉はキノコを作るための肥料として使います。

ジンベイザメ(インドネシア)

子分のコバンザメを従えて悠々と泳ぐジンベエザメは、サメの仲間で世界中の温帯から熱帯の沿岸や外洋で生息しています。体の背面は灰色で白色の斑点があり、その模様が陣兵衛羽織(じんべえばおり)に似ていることから、この名前がつきました。大きさは魚の中で世界最大で成長すると最大で10~12m、稀にさらに大きく成長すると考えられています。
しかし性格はおとなしい魚で、主に小型の甲殻類などのプランクトンを食べ、人を襲うことはありません。また歯は退化していて、とても小さな歯が口の上下あわせて約8,000本並んでいます。

セツブンソウ(三次市)

セツブンソウは一面に白い花を咲かせる早春の野草です。落葉広葉樹林帯の林床や林縁に生える多年草。純白の和紙のようにも見える清楚な花弁は、実は花弁ではなくガクです。
花弁は、先端が黄色い部分です。中央に青紫色の雄しべがたくさん並んでいます。近年は開発や盗掘のために激減し、各地で保護が始まっています。

ゲンジホタル(東広島市)

東広島市志和堀でホタルを見つけました。ホタルは、古くから初夏の風物詩として親しまれていますが、なかでもゲンジボタルが一番大きく光も明るい。この光はメスとめぐり合うための合図で、お互いに相手をまちがえないように、種によって光の色がちがっているだけでなく、光が点滅するパターンもちがっています。

アフリカゾウ(ケニア)

ケニアは乾燥した草原が多いのですが、ナイロビから北へ150kmのアバーディア国立公園はケニアでは珍しく森林がたくさんある国立公園です。森には多くの滝があり、緑が多く様々な動物が生息しています。特にアフリカゾウは一日に200-300キロの草,木の枝と根を食べます。

チョウハン(小笠原諸島)

小笠原諸島は東京湾の南約1,000km、 亜熱帯気候に属する島です。海中も熱帯系の魚が多く生息しています。チョウハンは、黄色の体色に、顔の黒い縁取りがパンダ顔のようなチョウチョウウオです。尾柄部には、大きな目にも見える、黒色の大きな斑紋があります。チョウチョウウオの中では大型で、25㎝くらいになります。