2022年度放送分
シベリアより/北海道・屈斜路湖
渡り鳥の中継地として知られる北海道にはオオハクチョウが飛来し、冬の訪れを告げています。北海道は、ロシアから本州などに向かう際の中継地となっており12月中旬ごろにかけて本州方面に渡っていくということです。この一帯は、エサとなる海草のアマモ類が多く、ロシアのシベリアから飛来し、越冬地の本州に向かう前に羽を休めています。
秋冬に装う/鳥取県
オシドリは、日本では、北海道から沖縄まで普通に繁殖する留鳥、冬鳥です。主食はドングリになります。その名の通りオシドリ夫婦で有名な鳥であります。「日本一カラフルな水鳥」と呼ばれるオスは、秋になると、その美しい羽を使ってメスにアピール。一方、メスは地味な色です。「おしどり夫婦」という言葉がありますが、実は毎年ペアが変わります。
コロニー/広島湾
カワウのくちばしの先は挟んだ魚を逃さないように鉤型になっています。水上では体が低く沈んだ姿勢で泳ぎます。エサとなる魚類を水中で捕らえ、水面まで運んで飲み込みます。巣は一般に樹上で、枝を組んでつくります。多数が集まって、集団で繁殖。一時は絶滅の恐れがあるほどまで減少していましたが、近年は個体数が回復しています。
早春の風に咲く/広島県三次市
ユキワリイチゲは本州西部から九州に分布する多年草です。
早春、雪を割って一輪の花を咲かせることからその名がつきました。吉舎町には珍しい白色のユキワリイチゲの自生地があります。丘陵地帯の山際、道の側などに生育。秋に葉を出し、3月に花を開いて初夏には地上部が枯れます。
樹氷の森/島根県邑南町
寒い冬の日、山に登ると真っ白な別世界が広がっています。スキー場にある木々には神秘的な樹氷が。樹氷は、空気中の冷やされた水蒸気が吹き付けられ凍結したものです。風にあおられたかの様に見えますが、水滴が枝にぶつかって出来るもので、風上に向かって伸びていきます。スキーヤーたちのもう1つの楽しみになっています。
ソリハシシギ/福山市
福山市に姿をあらわしたのが、くちばしは長く上に反っているソリハシシギ。旅鳥として春や秋の渡りの時期に干潟や海岸沿いの水辺で見られる野鳥です。主に昆虫や甲殻類を採食。河川改修、水田の圃場整備などによる湿地の破壊が進むと、個体数が減少する恐れがあります。
フクジュソウ/広島県庄原市
庄原市には福を招く花の自生地があります。大きいものは、花の直径が7cmを越えるものも。花が自然のまま増え、地元住民の手によって大切に保存されています。フクジュソウは種が落ちて芽が出るまでに1年。更に花が咲くまでに5年以上かかります。
ヤツガシラ/島根県
特徴はなんとっても頭にある長い冠羽。興奮すると立てますが、寝かせていることも。ツルハシのように細長く下に湾曲したクチバシで地中の虫などを掘り出して食べます。日本では、ごくまれに飛来するのみでほとんど観測されない旅鳥です。中国地方でも、早春の渡りの時期に目撃されていますが、時期は必ずしも一定ではありません。
一瞬のオアシスを求めて/ナミビア
シマウマはアフリカで最も有名な動物の1つであり、ナミビアの平原を歩きます。直線距離で500キロ以上も移動することが明らかになり、生物学者を驚かせました。これまでアフリカで記録された大型哺乳類の移動で最長のものです。餌や水のある場所は季節によって変化するので、動物たちはそれに従って移動します。移動することで、種は様々な環境において移動しない場合よりも高い個体群密度で存在することができるのです。
霧の海の夜明け/三次市
三次市の秋の風物詩「霧の海」が見ごろを迎えます。午前6時ごろ、空がオレンジ色に染まり始めると、中国山地の山々が島々に、白く濃い霧が海原のように見え、霧の海が浮かび上がります。三次市は「霧の町」と呼ばれるほど、秋から早春頃までは霧が発生しやすい町です。毎年9月末頃にイベント「霧の海開き」が行われます。
飛泉四十二丈/三次市作木町
三次市作木町にある常清滝。1990年4月に、広島県で唯一日本の滝百選に選ばれています。江の川の支流、作木川のさらに支流にかかる滝です。周りはうっそうとしたケヤキ、アベマキ、コナラを主とした落葉広葉樹で覆われ県の自然環境保全地域にも指定され緑と渓流の美しい環境が保たれています。
都会の川辺で/広島市
カワセミは、海岸や川、湖、池などの水辺に生息し、公園の池など都市部にもあらわれる。古くは町中でも普通に見られた鳥でした。高度経済成長期に、生活排水や工場排水で多くの川が汚れたため、都心や町中では見られなくなりました。採餌する時は、水辺の石や枝の上から水中に飛び込み、魚類や水生昆虫をくちばしでとらえます。ときには空中でホバリングしながら飛び込むことも。捕獲後は再び石や枝に戻って獲物をくわえ直し、頭から呑みこみます。
安全な保育器/山口県長門市
クロイシモチは、体は丸みを帯び、体色は黒っぽい。体長10cmほど。群れを作らずに、単独あるいはペアで行動します。メスが産卵する数は約2万粒。この卵をオスが口の中で育てます。口内保育の際には、オスが口の中の海水を新鮮なものに入れ替えながら、卵を洗う様子が見られます。卵が孵化し、オスが幼魚を放流するまでの期間は約1~2週間。この間オスは飲まず食わずで、卵を守っています。安全に子どもを育てて、確率よく子孫を残すためです。
瀬戸内で過ごす/広島県
全国的に分布するポピュラーなメバル。浅場の岩礁域や海藻の茂る場所を好みます。夜行性で、名前のとおり目が大きく、視力がいい。岩礁の周囲を群れで遊泳しますが、頭を上に向けて中層で立ち泳ぎしていることも。肉食性で、多毛類や甲殻類のほか、小魚なども捕食する。成魚になると10~20尾程度の数の群れを作ることもありますが、比較的規模の小さい群れを作ることが多くなります。
ラッコ/アラスカ
プカプカ浮いたり、戯れたり、石で貝を叩いて割ったり、流されないように海藻にくるまって昼寝したり、その姿が可愛らしいラッコ。ほとんどを水中で生活し、陸上には僅かな時間しか上がることはありません。かつてラッコは日本からロシア、アラスカを通ってメキシコまで広く生息していました。個体数は毛皮取引のために1700年代から大きく減少し始め、旧来の生息地のほとんどから姿を消しました。そのほとんどは、毛皮を目的に乱獲され、
国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。
錦秋/庄原市
夏にはキャンプや登山、冬にはスキー場として知られる県民の森。秋の深まりとともに、1000メートル級の山々が広がる庄原市のひろしま県民の森は、ナナカマドやツツジが色づきます。庄原市北部に広がる標高千メートル級の比婆山連峰で、山肌が赤や黄に染まり、登山や散策で訪れた人に秋の深まりを感じさせます。
初夏の三段峡を彩る/安芸太田町
太田川支流である柴木川沿いの長さ13キロ余の長大な峡谷・三段峡。四季を通じて様々な自然を味わえます。この川岸に希少な花・キシツツジが咲きます。開花時期は4~5月で葉の展開と同時に枝先に淡いピンク色の大型の花を2~3個付けます。自生するのは西日本の1部のみです。
9キロ続く桜並木/三次市三和町
三和町を流れる美波羅川沿いに、南北約9kmにわたって続く桜並木があります。地元では、その本数の多さから「千本桜」とも呼ばれています。30年ほど前に、地域の人々の手によって植えられた桜並木は、年月を経るほどその美しさを増しています。
春告げる妖精/安芸高田市
片栗粉や若葉を山菜として食されることもあるカタクリ。自生する日本の南限といわれる場所が広島県北部にあります。安芸高田市では毎年カタクリの可憐な紫色の花が咲き出し、斜面一帯を美しく彩ります。ブナ林などの落葉樹林の林床で、冬の間は落ち葉の下で寒さに耐え、早春に芽を出して葉を出し咲かせる花。陽が当たると開き、夕方にはすぼんでしまいます。
賀茂川の河口にて/竹原市
ハチの干潟は竹原市にある干潟です。市内を流れる賀茂川の河口に広がります。中央にハチ岩と呼ばれる岩があり、特徴的な入江となっています。この岩の名前から、ハチの干潟と呼ばれるといわれます。過去、埋め立てる計画が立ちましたが、地元の人の活動により、現在も手付かずの干潟として残されています。
日没後の森で/三次市
アオバズクはアジアに分布していて、日本では夏鳥です。全国に渡来します。フクロウ類の中では一般的で都会の神社などでも見ることができます。平地から山地の樹洞に2~5個の卵を産みます。日没後と日の出前がもっとも活発に餌を運びます。昆虫類を主食にしていて、街灯に飛来する虫を捕えているのをよく見かけます。和名は青葉が茂る頃に渡来することから。
大きな体を保つため/アラスカ
アメリカ北部・アラスカに生息するシカ科最大の動物ムース。彼らは年間を通じて見ることができます。1番長い冬の時期に、体重は大幅に減ってしまいます。そのため彼らは冬に備え体重を増やすため、夏の間に食べ続けるのです。オスは体重がゆうに720キロもあり、背丈は約2mになります。
ミツマタ/安芸高田市
ミツマタは新芽が芽吹く前に花を咲かせ、早春を告げる花として親しまれている落葉低木です。可愛い黄色の花がポンポンのように丸く密集した状態で咲きます。枝は3つに分枝し、これが「ミツマタ」の名前の由来。樹皮に含まれる繊維は強度が高く、古くから紙の原料として使われています。
イズモコバイモ/島根県
島根県だけに自生するイズモコバイモが山崖斜面一面に可憐な花を咲かせます。3月中旬から咲き始め4月上旬頃まで楽しむことができます。開花時期には県内外から可憐な花を愛でる人々が多く訪れます。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている植物です。