2023年度放送分

水の精霊/廿日市市

極楽寺山キャンプ場にある蛇の池。木々に囲まれた豊かな自然の中に静かにたたずんでいます。スイレンの池として知られており、6月下旬から湖面に花を咲かせます。そのスイレンに親しんでもらうた祭りも開かれます。スイレンは、スイレン科スイレン属の多年草。世界中の温帯域に生息していて、原種は40種ほど存在するといわれています。

深山の貴婦人/安芸太田町

恐羅漢から旧羅漢を登り出会ったのは美しい花、モクレン科のオオヤマレンゲ。香りが良く、大きな花も美しい、めったに出会えないと言われています。まさに“森の貴婦人”と呼ぶにふさわしい気高い花です。花の寿命は4日~5日ほど。春の訪れとともに、ほかの花々に先駆け、真っ白で大きな花を咲かせます。

里山の春/安芸太田町

安芸太田町にある「与一野(よいちの)のしだれ桜」。田んぼに囲まれた小高い丘にあります。樹齢は70年ほど。高さはおよそ12メートルで枝は左右に9メートルある見事な一本桜です。

山焼きの後に/安芸太田

なだらかな山の深入山。山焼きは、火入れによって病害虫が駆除され、希少な在来植物など生態系の維持につながることから、環境保全のため受け継がれています。生育する草原の種は,定期的に火入れを行うことで,安定して維持されているといわれます。

渓流の女王/廿日市吉和町

日本の代表的な渓流魚たちは近年、河川工事などにより生息域が脅かされています。

アカショウビン/島根県

全身燃えるような赤い色をしたカワセミ類で、「火の鳥」の異名をもちます。日本では夏鳥として限られた場所でしか見られません。よく繁った広葉樹林に生息し、枯木などに穴を掘って巣にします。

ハナダイコン/島根県出雲市

ハナダイコンの名前の由来は、花が野菜の大根に似ていること。本来は宿根草で、宿根すると株が大きくなり花もたくさん咲きます。花の少ない時期の3月から花を咲かせるので、この時期としては貴重です。暑さに弱いので温暖地では、夏越しが容易ではありません。

ネムリブカ/小笠原

日本近海では、沖縄県などのサンゴ礁に広く生息しています。夜行性のため、昼間は海底や岩かげなどで休み、眠っているようにも見えます。群れを作る事が多く、あまり攻撃性は高くありません。

深山の名瀑/廿日市市

恐羅漢山、吉和冠山に次ぐ広島県第3位の標高を誇る十方山の麓には総高63m、落差49mの荘厳な二段滝、瀬戸の滝があります。広島県でも最も有名な滝のひとつで、原生林の合間を雄大に流れる瀬戸の滝をひと目見ようと、多くの観光客が訪れてきた広島の観光名所です。太田川の源流からつながる瀬戸谷に位置する瀬戸の滝は、別名咬龍(こうりゅう)の滝とも呼ばれるのが納得できるほど、とうとうと水が注がれる迫力のある滝です。

黄金(こがね)のじゅうたん/三次市作木町

作木町の香淀にある迦具神社のイチョウは,樹高約32m,胸高幹囲7.28mで四方に枝を広げてその樹冠は舞殿と拝殿の両方の建物にまでかぶさっています。樹令は約600年と推定される。県内有数のイチョウの巨樹であるばかりでなく,杯葉をつける点で全国的にも珍しい例である。

家を紡ぐ/ナミビア

葉っぱを織りあげ、見事な住まいをつくる「ハタオリドリ」。アフリカ大陸には、恵みの雨とともにハタオリドリの結婚シーズンがやってきました。ハタオリドリ科の鳥は、地球上におよそ146種類。ほとんどがアフリカ大陸の乾燥地帯に暮らしており、その名の通り「家を織りあげる」のが大得意なのです。メスが気に入るように表面をすべて滑らかに仕上げるという。完成するとメスに披露しプロポーズします。

清流の子育て/島根県吉賀町

サワガニはエビ目・カニ下目・サワガニ科に分類される日本固有種のカニで本州から四国、九州の屋久島までの淡水域で一生を過ごします。水がきれいな渓流や小川の上流から中流域に多く、春から秋に活動し、冬には川のそばの岩陰などで冬眠します。水質がある程度綺麗でないと生息することができません。

幸福の鳥/世羅町

国の特別天然記念物のコウノトリのつがいが、世羅町の電柱に巣をつくりました。かつては日本全国にいたものの、環境悪化あっかなどから国内の野生種は1971年に絶滅しました。兵庫県立コウノトリの郷公園が2005年に国内で初めて、人の手てで育て野外に放ちました。今では、野外で暮くらすコウノトリは300羽わを超こえたといわれます。雑食で昆虫類やミミズなどを食べるほか、植物も食べます。夏にかけて繁殖し、10年ほど生きると考えられている。

クマノミ/山口県・青海島

山口県の日本海側にある青海島で出会った小さな魚。イソギンチャクと一緒に生活することで有名なクマノミです。体長は成魚で10~15cm程度と、比較的小さい海水魚で、クマノミは基本縄張り意識が高く、闘争も激しいです。太平洋からインド洋に分布し、熱帯の海域に生息しています。クマノミは暖かい海で育つので、かつては冬を越すことが難しかったのですが、冬を越すクマノミの数は少しずつ増えてきているといわれます。全世界には30種類以上のクマノミの仲間が存在していているといわれます。

雲海/世羅町

雲海は、主に秋から冬にかけて見ることができる不思議な絶景です。盆地に多くに発生して放射霧からできます。世羅町にある今高野山城址の展望台を望めば雲海が広がっている時間は天空の城のようになります。

自立の夏/世羅

今年2月、世羅に飛来してきたコウノトリのつがい。その後、広島県で初めて産卵、ふ化が確認。7月中旬、その3羽が巣立ちました。しばらくは巣の近くで親鳥からエサのとり方を教わりながら、行動範囲を少しずつ広げていくということです。ちなみに巣は9月に台風警戒のため撤去されました。

厳冬の大地に生きる/北海道

キタキツネは、体長50~60センチほどの大きさ。冬になると黄色がかった茶色の毛になります。北海道の平地から高山帯まで生息、おもに朝夕に活動します。雑食性で、昆虫や小動物など様々なものを捕食。巣は複数持ち、子の成長と共に、何週間かおきに移動します。

しっぽの力/鳥取県

タツノオトシゴは世界中に生息する魚で、その種類は全部で50種類ほどと
言われています。体長は10cm~15cmほどで黄色っぽいウロコを持つものが一般的です。海藻が密集する藻場に生息していることが多く、長い尾を海藻に巻き付けて身体を固定しながら生活をしています。サンゴ礁の減少や環境汚染、また、主にアジアにおける乱獲により、一部は絶滅の危機に瀕しています。

早春の黄金花/安芸高田市

ミツマタは早春に枝の先に花が咲き、その後に同じ場所から3本の枝が伸びます。そのため、枝は常に3本セットで先端が3つに枝分かれしています。
この独特の枝ぶりから「ミツマタ」の名がついたとか。繊維質の樹皮は、強度の高い良質の紙の原料として有名で、紙幣などにも使われています。

白銀の絹毛/広島市佐伯区

ネコヤナギの由来は、やわらかい銀白色の毛に覆われた花穂がネコの尻尾を
思わせることから、この名がついたといわれています。北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国に分布。山野の河川の水辺で見られます。他のヤナギ類の開花よりも一足早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物ともみなされています。

曲線の芸術/北広島町

北広島町大朝に自生する「イヌシデの変種」の群落があります。クネクネとした樹形が特徴です。日本でも非常に貴重で、2000年に国の天然記念物に
指定されました。春夏秋冬を通じ様々な姿を見せてくれます。

サンカノゴイ/三次市

サンカノゴイはペリカン目サギ科に分類される冬鳥です。日本では主に北海道、滋賀県、茨城県、千葉県などで繁殖が確認されていますが、生息数が極めて少ないうえに生息地の湿地帯や葦原などの減少により絶滅が心配されています。体長は約70cm、くちばしは鋭く、魚、カエル、昆虫類などを捕食します。

セリバオウレン/三次市吉舎町

日本海側に分布するオウレンの変種とされ、太平洋側や西日本に多く分布します。針葉樹林内など林床に生える多年草で、根茎は太い。セリのような細かな葉が特徴のオウレン。早春に葉の上で咲かせる可憐な花と、花後に付ける面白い形の実が魅力です。

トモエガモ/三次市作木町

冬鳥として渡来し、平野部から山地の池沼・ダム湖・河川で見られますが、
渡来数は年により数羽から100羽以上まで変わります。警戒心が強く、人の近寄れない環境を好むため生息地は限られます。全長約40㎝。オスの顔に黒色と緑黒色それに淡黄色、白色が組み合わさって巴型の模様に見えるので、この名が付けられています。