放送番組審議会

第380回

開催日:平成20年9月29日(月)
場所:広島ホームテレビ本社特別会議室
【課題番組】
『ヒロシマ1958~フランス人女優が撮った復興~』

放送:平成20年8月6日(水)9:55~10:25
制作:広島ホームテレビ

★第39期放送番組審議会の委員長・副委員長の選出
委員長:前川功一/副委員長:中道紘二
★プログレス賞最終選考結果報告
優秀賞『炎の記憶~革命家が見たヒロシマ、そして…~』
番組について

1958年、被爆13年経った広島で映画『ヒロシマ・モナムール』、邦題『二十四時間の情事』が撮影された。この映画は、被爆後の広島の街を背景に、戦争により共に傷ついたフランス人女優と日本人建築家の一夜の恋の物語である。主演女優のエマニュエル・リヴァは、ロケの合間、広島の町並み、広島の子供たち、当時の暮らしなど、復興時の広島をスナップ写真に撮った。今年、500枚にもなるそのスナップ写真が発見され、広島で写真展が開かれる。番組は、当時の映画関係者、さらには、写真の被写体になった人々を取材し、廃墟の中から立ち上がろうとしていたヒロシマを追い、フイルムに込めたエマニュエル・リヴァの想いを伝える。

合評での意見
  • 広島に携わる映画に出演したフランス人女優が被爆後の復興しつつある広島の写真を500枚も撮っていたことがテーマだが、写真が発見された経緯、彼女が沢山の写真を写した目的、彼女の人となり、映画の内容、変更された映画のタイトル、制作者が得た情報の経緯など、視聴者が知りたい疑問に答えがされていない。
  • 戦争の足跡を追うととかく暗さや悲惨さが強調されて暗いイメージになるが、この番組は、被爆後のヒロシマの力強い復興ぶりを表現し、写真に写った当時の子供たちを探し出してインタビューし、また当時の懐かしい町並みと現在を比較させたところは興味深いものだった。被爆後の復興する広島を追ったことは新しい切り口の平和番組として評価できる。
  • 制作者が、写真に写った被写体の人探しや歴史に固執しすぎて、本来のテーマから離れた番組になっていた。
  • エマニュエル・リヴァ本人のインタビューがなかったが、写真を撮った過程の話が聞けると番組に深みがました。
  • 貴重な写真と言っても過言でない当時の写真がたくさん存在することに感動した。