放送番組審議会

第391回

開催日:平成21年10月20日(火)
場所:広島ホームテレビ 本社 特別会議室
【課題番組】

報道発 ドキュメンタリ宣言

『誰も知らない朝青龍~引退危機・決意の告白~』

放送:平成22年9月7日(月)19:00~19:54
制作:テレビ朝日   

番組について

バラエティ・クイズ番組が花盛りの平日ゴールデンタイムに始まった本格派ドキュメンタリ番組は、ニュースの主役である「人間」にこだわり、長期的に密着することで、「人間」を通して社会の真相を表現することを目的とした。
2008年11月3日の初回「消え行く妻の記憶~女優・南田洋子が怱然と姿を消した理由」は、認知症を発症した女優の南田洋子さんを夫・長門裕之さんが、戸惑いと葛藤を抱えながらも懸命に介護する姿を追い、「老老介護」「認知症介護」の問題をフィーチャーした。その結果、関東地区の平均視聴率22.9%、広島地区の平均視聴率は18.4%を獲得し、ギャラクシー月間賞も獲得した。
VTRは、秀逸なナレーション能力を評価される大竹しのぶと小林薫が担当し、ドキュメンタリ対象者の微妙な心の機微を表現する。
そして、ナビゲーターの長野智子がドキュメンタリを通して発する社会的メッセージを、最新のヴァーチャルセットを駆使して展開する。
今回は、強さと同時に様々な話題でマスコミを賑わせ、引退が囁かれる朝青龍を2年間に亘り密着取材し、知られざる素顔や引退報道の真実を探求する。

合評での意見
  • 見る番組がないという中高年に向けたゴールデンのドキュメンタリ番組、丁寧な取材に今後も期待する。
  • 朝青龍を2年間追い続けた取材は、個性や人間性など、色々な顔を見ることができたが、時系列が行ったり来たりしていて分かりにくかった。。
  • 「誰も知らない朝青龍~引退危機・決意の告白~」本場所で見事な復活優勝を果たした朝青龍、引退危機説を吹き飛ばす素晴らしい結末を知っているため、なぜ秋場所が始まる前に放送したのかとか、なぜ本場所が終わるまで取材を続けなかったのかと疑問に思った。誰も予想しなかった復活優勝を成し遂げた朝青龍の言葉を聞きたかった。
  • 2年にも及ぶ取材は、丹念に映像をつないでいたが、内容は意外性があまりなく、タイトルの「誰も知らない朝青龍」を期待していただけに残念だ。また、「決意の告白」ということもよく分からなく、肩すかしをされたような感じがした。
  • ナレーションや取り上げ方の表現が、異常な程誇張していたのが、気になった。
  • コマーシャルが後半に集中していて、不自然だった。
  • 2年間という長い取材で取材したVTRも多いだろうから、制作者の意図により、朝青龍に加担する内容もできるし、朝青龍を蹴落とす内容にもできるが、今回は応援するような内容だったため、アンチ朝青龍という人にも好感が持てたのではないだろうか。