第401回
開催日:平成22年10月27日(水)
場所:広島ホームテレビ 本社 特別会議室
場所:広島ホームテレビ 本社 特別会議室
【課題番組】
テレメンタリー2010
『遺言~残された日々を被爆者として生きる~』
放送:平成22年8月7日(土)9:30~10:00
制作:広島ホームテレビ
番組について
ヒロシマの被爆者を代表する存在・坪井直さん(85歳)は、原爆被爆者の全国組織、日本被爆者団体協議会(以後「被団協」)の代表を務め、20年近くに亘り平和を訴えてきた。そんな坪井さんも80歳を超えた頃から“引退”がちらつくようになった。身体には2つのガンをかかえ、「わしは、明日死ぬかもしれんで」が口癖になった。現在、被爆者の平均年齢は、75歳を超えた。被爆体験を証言できる被爆者は激減している。
2010年5月、坪井さんは最後との思いでニューヨークの国連軍縮会議に参加して、被爆者代表団の団長として、世界に核廃絶を訴えた。更に、6月には被団協の理事長に再任、命を削りながら、被爆体験を証言し続けている。坪井さんの65回目の夏を追うことで、語り部である被爆者が減っていくヒロシマの現実と、継承という課題に立ち向かう被爆者の生き様を描いた。
合評での意見
- 高齢の坪井さんが、病を抱えながら、被団協のリーダーとして被爆者を引っ張っている姿をよく捉えていた。
- 被爆者の高齢化で生存者が少なくなってきた今、タイトルの「遺言」という言葉は、非常にショッキングだが、被爆者の中の被爆者と言ってもよい坪井さんの取材ができたのだから、坪井さんの考えや思いをインタビューなどで、もっと掘り下げて欲しかった。
- 被団協のリーダー坪井直の記録ドキュメントとしては良い作品だが、番組としては物足りない。
- 85歳の坪井さんが体を張って、核廃絶を訴えられていることは良く表されていたが、放送時間が悪いためか、視聴率が良くなかったことが残念だ。良い番組も放送時間に左右されるので、今後、検討する必要がある。
- 坪井さんの活動は、ご自身の記録というよりも広島の記録として残していかなければいけないことを改めて感じた。是非次世代に伝えて頂きたい。