第469回
開催日:平成29年7月26日 (水)
場所:広島ホームテレビ 本社 特別会議室
場所:広島ホームテレビ 本社 特別会議室
【議題】
第86回系列番審委員代表者会議 議題
「テレビは何故つまらなくなったのか
「テレビは何故つまらなくなったのか
~メディアとしての存在価値を問い直す~」
昨今「テレビがつまらない」「見る番組がない」と言う声が多く聞かれます。
実際にHUT(総世帯視聴率)は、下降の一途をたどっていて、1979年度には77.8%あったゴールデンタイムのHUTが、1999年度以降70%を割り、
2016年度は60.9%まで落ち込みました。
一方で、テレビを取り巻く状況は、予想を超えるスピードで変化を続けています。視聴方法の多様化はますます進み、テレビとインターネットの融合時代はすでに始まっています。
将来”ネット同時再送信(常時同時配信)”が現実のものとなれば、ネットワークやローカル局のあり方にも影響を及ぼすと言われています。
こうした時代背景の中、テレビとは何かが改めて問われています。
地上波テレビの存在価値を問い直す必要に迫られています。
「今の地上波テレビは本当につまらないのか」
「どこがつまらないのか」
「どうすれば面白くなるのか」
「どのようなコンテンツが必要とされるのか」
「キー局に言いたいこと・望むこと」
「地域メディアとしてのテレビのあり方とは」
「ローカル局のコンテンツ力・情報発信力を強化するには」
「テレビ朝日系列としてできることは何か」等々
合評での意見
「テレビを取り巻く環境とテレビの優位性」
- インターネットやSNSの普及による環境の変化により、情報収集の選択肢がテレビだけでなくなった。
- テレビに期待するのは「リアル」。ネットの情報以上にテレビは信じられるという信頼感を勝ち得ることが出来れば、メディアとして存在価値は高まる。
- ネット通販最大手の米アマゾンは高級スーパーチェーンの買収を発表。日本のアマゾンも生鮮食品の宅配を始めている。ネットとリアルの融合は当たり前の時代、そのときに問われるのはリアルのクオリティー。
- テレビはデマも流れるネットと違い、多人数が関与して番組がつくられるため情報の信頼性が高いことを認識すべし。
- 高性能の機材、撮影のプロ、CM収入があるので、著作権や放映権の絡むものも発信できる優位性がある。
「今の地上波テレビは本当につまらないのか」
「どこがつまらないのか」
「どうすれば面白くなるのか」
- ひな壇芸人が出演する番組が多い。例えばクイズ番組など横並びで同じ番組を放送しているのには、何故と思ってしまう。
- 出演者は素人や瞬間芸しか出来ない芸人のトーク番組が多く、品格のない番組に走り続けている。
- 視聴率を考えすぎてテレビ離れを起こしているではないか。見る側が多様性に富む現在、視聴者全員を楽しませようと思うところに無理があるのではないか。
- スマートフォンや録画機器が広く普及した現在、リアルタイム視聴の指標だけで番組の強さを評価する時代は終わっていると思う。テレビ業界全体で視聴率調査方法を見直す時期に来ているのではないか。
- 歴史的に見ても目覚しい発展を遂げたテレビはすぐれたメディアであり優位性は高い。すぐれた演出家、作家の育成に力を入れていけば、内容も映像の美しさも高く衰退することはない。
- テレビ局がインターネットに進出することによってレベルが高くなるのでどんどん進出するべき。インターネットをテレビ局の評判を上げるツールにしてはどうか。
「どのようなコンテンツが必要とされるのか」
「地域メディアとしてのテレビのあり方とは」
- 具体的な番組としてNHKの「ぶらタモリ」のような、情報の信頼性の高い番組を今後も期待する。地質の専門家による信頼性の高い解説と、素人でも「なるほど」と思えるタモリさんのコメントやアナとの巧妙な掛け合いが評価できる。
- NHKの72時間定点観測をしている番組などはテレビの特異性を活かせると思う。
- 主婦向けの番組が多いのが気になる。定年を過ぎた高齢層の男性をターゲットにした番組を午前中に持ってきてはどうか。
- 年に1・2本は必ず後世に残すような使命感に満ちた番組制作を期待する。
- ニュース・スポーツ中継はテレビの優位性が発揮できる。サブチャンネルの活用を考えるなど幅を広げてはどうか。カープ以外のスポーツ、バレーやバスケット等の中継も考えてみてはどうか。
- キー局と地方局の制作バランスを崩し、地方局の特色作りをしてはどうか。
「キー局に言いたいこと・望むこと」
- キー局と地方局の共同制作番組を多くし、番組格差をなくす努力をして欲しい。この特色を出すため、人事交流(アナウンサー・プロデューサー・ディレクター)を盛んにし特色の持つ地方局作りが必要。