放送番組審議会

第489回

開催日:2019年7月16日(火)
場 所:広島ホームテレビ特別会議室
【課題】
第88回系列番審委員代表者会議 議題(2019年10月17日開催)
「“少子超高齢時代”における テレビの使命」について
議題について

日本の高齢化率は27.7%と世界で最も高く、今後も上昇が続くとみられる。生まれる子どもの数は年々過去最少を記録しており、5年後には国民の3人に1人が65歳以上に、5人に1人が75歳以上になるという。
こうした“少子超高齢時代”を迎えた今、テレビが果たすべき使命があるのではないか。テレビに求められる役割があるのではないか。多角的な視点から、テレビの在り方・テレビの目指すべき方向について改めて考える。
 
〇シニア層のニーズに応え、活力を与える番組・コンテンツとは
〇高齢者に寄り添い、充実した人生をサポートするには
〇これからのテレビが、ターゲットとして軸足を置くべき視聴者層は

 

出席委員

前川功一委員長、小川富之副委員長、荒木裕三委員、大井美恵子委員、河合直人委員、副島英樹委員、藤本慎介委員、見延典子委員 

 

合評での意見
  • 高齢者をひとくくりにするのは無理。経済状況も違うし、健康状態も開きがある。この層をひとまとめにした番組は無理。
  • テレビの元気がよかったころは、視聴者と制作者が、おおむね世代的に一致していたが、今は乖離している…。20代の制作者に、70代の気持ちがわかるかというと不可能だと思う。もし本気で作るのであれば、制作者の中に、そういうことに精通している人や、意見を求めないと現実感のある番組作りは難しい。
  • 高齢者向きといいながら、今までのように、きちんと取材して、内容のあるものを作っていく、ところに戻らざるを得ない。高齢者向けに限定すると、それを否定することになってしまう。
  • テレビの原点である「見ている人の信頼」、しっかり取材をした情報に基づく番組づくり。ここを失ったらテレビ自体の信頼がなくなる。どういう世代に当てる番組であっても、テレビの原点を揺るがしてはならない。
  • 「信頼性」が一番大きなポイント。それが他のメディアと差別化できる。社会にとって、必要不可欠な情報の提供をこれまで以上に取り組むことが大事。
  • 明るい少子高齢社会、悲観的な面ばかりでなく、明るい側面にスポットをあてて、提供することが、将来を担うこどもたちにとっても大事。
  • 健康・体操番組もいいのでは…。予防方法を知っているだけで、病気や怪我が防げるものが多数ある。わざわざ、病院で説明を聞くより、毎日少しずつ、食事の仕方などが浸透すると、好循環では…。こども向け番組は、教育的な要素が入ったモノがいいと思う。
  • 人生100年時代といわれている。関心がありそうなのは、2つある。金融資産の寿命をどう延ばすか、自らの寿命をどう延ばすか(健康、認知症など)ではないか…。国から大事なリポートがでているので、咀嚼して、色々なケースを紹介する番組が必要なのでは…。
  • テレビの大きな役割の一つは災害報道。一番最初に見るのはテレビ。経営の問題、スポンサーの問題があるかもしれないが、特に、高齢者は、避難しにくくなるケースでは、よりテレビの使命が大きくなってくる。特に、各地方のテレビの役割が重要になってくる。