第498回
開催日:2020年7月21日(火)
場 所:広島ホームテレビ特別会議室
場 所:広島ホームテレビ特別会議室
【課題】
「新型コロナウイルス報道とテレビの役割」
報道・情報番組は、新型コロナウイルス関連のニュースや話題を、連日時間を取って放送してきた。視聴者の関心は高く、視聴率も伸びている。しかし…
・正確な報道が迅速になされているか
・国民生活に真に役立つ情報が伝えられているか
・国民の不安やストレスを緩和することができているか
・危機感を煽ったり、差別を助長したりする放送はなされてないか
多角的な視点で、これまでの、そして今も続いている報道を点検する。
出席委員:
前川功一 委員長、小川富之 副委員長、大井美恵子 委員、河合直人 委員、藤本慎介 委員、前田昭 委員、見延典子 委員、山平慎一郎 委員
合評での意見
- PCR検査を増やすことをキャンペーン的に報道していたテレビ番組があった。日本は国際的にPCR検査が極端に少ないという問題提起をした。この報道は生産性がないという批判が起きたが、今、広島県を含めて全国でPCR検査を増やす傾向にある。その点で、番組の役割は大きかった。
- テレビは可能な限り専門性の高い情報を伝える必要がある。テレビがSNSと違う点は出典、取材がしっかりしているところのほか、言いっぱなしではなく修正できるところ。根拠に基づいた情報を提供することが必要。
- 不安を煽るだけの内容はよくないが、事実を伝えると結局不安を煽る内容になるのがテレビ報道の難しさ。
- コロナ報道ばかりで、他のニュースの報道量が少なくなった。東京高等検察庁の検事長任期延長問題、国会議員の河井夫妻による買収事件の報道量は本来もっと取り上げられるべき。他の重要なニュースが置き去りにされたのは深刻な問題だった。
- 専門家チームの決定を政府が追認することが長く続いた。それを追認する報道がテレビで多くあったのが課題。どういうふうに意思決定をしたのか検証できなかった。
- 発表されたデータについて、中身を掘り下げずにコメントしているコメンテーターなど、煽っている報道があった。
- 報道側も科学的な知識をもっと勉強すべき。どんどん新しい知識を吸収して提供するという観点から勉強すべき。特定の専門家ばかり出演させるのではなく、分野ごとに、この問題であればどの専門家が明らかにできるかという報道手法をしてほしい。