第504回
開催日:2021年3月16日(火)
【課題】
「地球派宣言特別番組 広島の水の中、もぐってみました~瀬戸内海って本当にキレイなの?」(2021/2/20放送)
出席委員(敬称略):
前川功一、大井美恵子、東山浩幸、見延典子、石井暖子 ※河合直人、藤本慎介(レポート提出)
合評での意見
【総合批評】
- 牡蠣生産者の「海はきれいになったが、栄養素が減少して生産量が減少した」という話は、問題提起に上手くつながっていた。「海苔に色がつかない」という海苔生産者の話を含めて説得力があった。
- 身近な水の中を知って水環境に関心を持ってもらい、その自然と人間の共存があり、生態系の食物連鎖がある中で、いかに瀬戸内海が私たちにとって大切で、生きていく上で重要なのかを考えさせられた素晴らしい番組。
- 色々なものがありすぎて、もつれすぎて、制作者もそれを整理できないまま進んでいるような感じ。シャッフルして絡んだ糸をきちんとした筋道できれいな線にして見せるのがテレビ局の役割のはずだが、絡んだまま終わってしまった。無理やり結論は「瀬戸内海は大切なものと分かりました。次の世代へつなげていきます」となっていた。
- 「貧栄養化問題」という流れに沿って、ずっと番組を作ったほうが良かったのではないか。
- 海を汚す大きな要素としてプラスチックゴミ問題があるが、全く触れていなかった。
- 何か補足で2つ、3つ、具体的な行動につながるような提案があれば良かった。
【批評を受けた制作側の説明】
- 我々がどう行動すれば良いのかということは一番悩んだ。貧栄養化ということに関しては、「基本的には下水処理の問題であり。我々にできることは実はあまりない」ということ、また海水温の上昇という点に関しても、「必ずしもCO2を原因とする地球温暖化のせいとも言えない」。ではどうすればいいのかと、もどかしい点が残り、有効な答えを出せなかった。
- 一時、芦田川は非常に汚いということで有名だったので、今どうなっているのか知りたいと思って取材した。しかし、全体の中の位置付けとして、その流れの中でどう捉えるかという部分で若干未消化のところがあった。我々の力不足で上手く処理できなかった。
- 瀬戸内海が貧栄養化していて、「汚い/きれい」、「豊か/貧しい」というところは、どう理解していけばいいのかと悩んだ。子供たちに「汚いほうがいいのか」「汚せばいい」という捉え方をされないだろうかと心配して制作したが、やはり難しいところがあった。
- 50年でどう変わったかということは、「芦田川の位置付け」、「牡蠣筏」から「芦田川」、その後へ流れていく構成が必ずしも十分理解されるようにできていなかったという点は力不足。
以上