第506回
開催日:2021年5月18日(火)
【課題】
「ドキュメント広島 原爆を知らない僕たちは」(2021/2/7放送)
出席委員(敬称略):
前川功一、小川富之、大井美恵子、東山浩幸、見延典子、河合直人、藤本慎介、石井暖子
合評での意見
【総合批評】
- 広島の若者でさえ「原爆と戦争の想像がつかない」と発言する時代。そうした若者に対して、崇徳高校新聞部の皆さんは原爆について伝えていくことを使命にまで感じていて、両者の対比が冒頭でくっきりと示されたことで、その後どうなっていくのだろうと引き込まれた。
- 高校生記者の目線で「原爆と平和」について考えるという行動が、上手くコンパクトに描かれていた。
- 「(新聞の)部説を川上君がどのように書くか」が柱だが、何が最初の原稿で、それを川上君がどのように直したのか、その一番重要なポイントは絶対に描かなくてはならない。最後はそこで締めてもらわないと視聴者は納得しない。
- 関わりを持つ生徒たちがみんなで取材をしながら、ああでもない、こうでもないと紙面を作成していく姿を見せたほうが番組としては良かった。色々なエピソードをつなげたほうが分かりやすく、伝わるものが伝わったはず。
- 新聞部の活動や川上君の生い立ち、若者意識や取材風景、最後の新聞発行の効果まで色々と盛り込もうとしすぎたばかりに、全体的に掘り下げが不足していた。
- 「戦争」という切り口が必要。今の平和が続いている背景を詳しく説明したり、世界で起こる紛争や、いま存在する、また将来起こりうるリスクなども交えて過去を振り返り、原爆投下による悲惨な過去を考えることが大切になってくる。
【批評を受けた制作側の説明】
- 川上さんは、新聞部に入って初めは何となく活動していたけれども、その中で徐々に意識が芽生えていったと聞いて、彼にターゲットを絞ろうと思った。一人に絞ることで、視聴者からより共感が得られるのではないかと思ったが、他の部員たちの思いも併せて伝えることができれば、より良いものになったのではないかと思う。
- 川上さんが悩んでいるところは色々と工夫して撮ったつもりだが、その経緯などをどういった思いで、考えがどう変遷していったのかをもっと細かく描ければ良かった。
- もっと多角的に見て、今後どう伝えていけば、多くの人に「戦争」や「平和」について考えてもらえるのかということをこれから勉強していきたい。
- 新聞部の部室のところでOBの方も探そうとして色々と連絡を取ったが、最終的に被爆者の方や当時を知る方を探しきれなかった。
以上