第509回
開催日:2021年9月14日(火)
【課題】
「夏詩2021 ~それぞれの球譜~」(2021/8/7放送)
出席委員(敬称略):
前川功一、小川富之、大井美恵子、東山浩幸、見延典子、河合直人、藤本慎介、石井暖子
合評での意見
【総合批評】
- 広島大会のダイジェスト版としても、見ていて飽きないし十分楽しめる内容。
- 球児が高校野球にかける思い、そして仲間や監督、家族、地域の人々に抱く思いがしっかりと伝わってくる内容。
- 選手たちの姿に心が揺さぶられた。好きなことを一生懸命やって得られる充実感、仲間と一緒に喜びや悲しみを分かち合うことなど、大人になるにつれて忘れがちなことを思い出させてくれる機会になるという意味でも、高校野球の当事者やファンのためだけではない番組。
- どの番組よりも見る価値があって、どの番組よりも感動が大きい素晴らしい番組だった。見るこちらまでが手を合わせてしまいそうになる、一生懸命さが痛いほど伝わってくる番組に仕上がっていた。
- やや敗者に焦点を置きすぎて過剰な感じがした。高校野球の良さは、勝者の輝きという圧倒的な部分があると思う。この勝者の輝き、3年間とか2年半、一生懸命に練習して最後に輝く瞬間があるというところを、もう少し取り上げてもよかった。
【批評ポイント】
ドキュメンタリーという側面では、ひとつの学校、あるいは主人公の少ない状態で描く方法があります。しかし、高校野球の性質、そしてできるだけ多くを伝えたいという思いがあり、現在のような番組スタイルをとっている点について。
- やはり高校野球は教育であって、対象が高校生なので、誰か一人のスターや一選手に焦点を当てるのではなく、色々な人が取り組んでいる姿を取り上げるのはよかった。
- それぞれのドラマがあることを数多くのシーンで伝えており、そうしたことで視聴者の共感する範囲が広がり、番組全体として充実した内容になっていた。
- ラストミーティングは、それぞれのチーム事情や選手、監督、関係者の思いを伝えており、見ていて共感できるところもあり、これまでの苦労、試合を終えての気持ちが凝縮されていて非常に良かった。
- あまりにも沢山ビデオに残した資料がありすぎて、その資料の中で制作者がおぼれてしまっているような印象。何をどうしていいか混乱しているような。完全にすっきりしたという感じではなかった。
- 構成がやや単調になっているところもあった。ナビゲーターが語って、主人公が出てきて、試合があって、また主人公で締めくくるという形が繰り返されていくので、少し変化があっても良かったのではないか。
【批評を受けた制作側の説明】
- 基本は、負けた試合でも選手たちにとって何年後かにでもいい思い出になるように、という思いで作った。
- 勝者を称えない、敗者に焦点という思いで作っているわけではない。とにかく出合ったもの、あるいはみんなが抱えて表現したものを紡ぎたかったという思いだけで作った。
- 他の高校スポーツと少し違う高校野球の魅力をこれからも伝えていきたい。
以上