放送番組審議会

第514回

開催日:2022年3月15日(火)
【課題】
「広島の水の中 もぐってみました~魚に会いに行こう~」(2022/1/22放送)
出席委員(敬称略):

前川功一、小川富之、大井美恵子、東山浩幸、見延典子、河合直人、藤本慎介、石井暖子

 

合評での意見

【総合批評】

  • タイプの異なる4カ所の水中に潜り、それぞれの映像が充実していた上、環境保全の現状と課題が肩肘張らずに示されていた。盛りだくさんの内容で、テンポの良い流れで飽きずに次から次へと興味を持ちながら見ることができた。
  • 先に水中の映像を見せて、その後で種明かしするという謎解き風な構成を繰り返していたのも興味を引き続けることにつながった。
  • 広島の環境問題を改めて考えるために、普段見ることのできない水の中の様子が見られて、自然の大切さを非常に効果的に訴えかけることができた良い番組だった。
  • 過去に三次市でサケ漁をしていたというのはこの番組を見て初めて知った。開発によってサケが遡上することができないということで、それをまた復活する活動が始まっているという内容は地球派宣言らしい視点だった。
  • 環境問題を考える前に川に潜ってみること、実際に体験して川の中がどうなっているかを見せることが凄く大事なのだと思った。教育的な意味でも重要な番組だった。
  • 番組が問題として提起したいことがバラついていた。

【批評ポイント】
水中の映像に興味が持てたか?

  • 魅力的な映像が多くて大変興味深かった。
  • きれいな生き物の映像を沢山見せていくことで、声高に「環境を守ろう」と言わなくても、見た人が「ああ、この自然を守りたいな」「この美しさはこのままあってほしいんだ」というふうに素直に思うのだろう。
  • 一つ一つの魚の名前・解説があり、全体のテンポが良くて分かりやすかった。

出演者、ナレーターは適切だったか?

  • 潜水のスキルを持っていて話術も巧みなよゐこの濱口さんと渡辺アナウンサーとの掛け合いの進行は、的確で面白く見ることができた。
  • 濱口さんは潜れるのだろうけど、これまでどういう経験があったのか。潜水の分野で、なぜ彼が出てきたのかという説明が足りなかった。
  • 濱口さんが潜っているビデオを見ながらの渡辺さんと濱口さんの会話が少し途切れ途切れな感じ。制作側で質問をあまり考えずに濱口さんに任せようとしたところ、アドリブが利いてななかった印象。
  • 宮島水族館の田守さんが出てきてからクイズが出ることによって掛け合いが生まれてスムーズになった。そのように台本がある箇所については概ねスムーズにいって、濱口さんのスムーズさの中のアドリブみたいなものが生きていたので、もう少し台本みたいなものが必要だった。
  • ナレーション(大松しんじ氏)は、水中の映像をゆっくり見ることや環境を考える上では落ち着きがない印象。一方、干潟を守る岡田さんに久々に会う場面ははまっていた。

子どもにも分かりやすい内容だったか?

  • 子どもにも興味が持てるように、登場する水中の生き物をそれぞれフォーカスして、解説していたのが非常に分かりやすかった。
  • 子どもたちの感想で一番多かったのは、ハチの干潟が好き過ぎてそれを仕事にされた岡田さんの内容。「好きなことって仕事にしていいんだ」ということが分かったのだという。

【批評を受けた制作側の説明】

  • 小さい子どもから大人まで見ても飽きない、何か一つでも発見してほしい、そして子どもを置き去りにしたくなかったので、どこかに特化するというよりは幅広く見てもらうことを目指した。
  • 濱口さんを選んだ意図は若干説明が足りなかった。

以上