放送番組審議会

第533回

開催日:2024年2月20日(火)
【課題】
「銀盤を求めて~広島スケートの現実と未来~」
(2023/12/30放送)
出席委員(敬称略):

小川富之、河合直人、井筒智彦、大井美恵子、喜多村祐輔、木村文子、武井三聡子、東山浩幸

 

合評での意見

【総合批評】

  • 少子高齢化・人口減少の時代の中で、スポーツの施設をどうしていくのか考えさせる番組になっていた
  • マスメディアの重要な役割を非常によく出しているいい番組。いかに少数者を大切にするかというのも非常に重要であり、そこにスポットライトを当てている。
  • 街づくりがどうあるべきかと問題提起して、みんなで考えていくということは非常に重要であるだけに、あまりネガティブな話の流れにはしてほしくなかった。岡山はこうだ、だから岡山並みにならなければいけないというのは少しテーマが稚拙。
  • 人口が減少し予算も減る社会の中で、本当に前向きにみんなでできる方法を考えていかないといけない。ネガティブなことの繰り返しでは社会が進まないと。期待を込めて、前向きにどうやったらできるのとかといった視点で問題提起を考えてほしい。

 
【批評ポイント】

1.「通年リンク」の必要性についてご理解いただけましたでしょうか? 説明が足りない、あるいは多すぎるといったことはあったか?

  • 氷の上に長時間のって感覚を研ぎ澄ますのが大事というのは当事者ならではの視点で、確かに通年リンクがいるなというのはすごく感じた。
  • 具体的な通年リンク建設の可能性について気になった。初期費用に数十億円かかるとあったが、具体的に維持費はどれぐらいで、入場料はいくらで、年間どれぐらい動員したら回せるのかといったことを知りたかった。
  • 全国に109のスケートリンクがあって通年リンクは29ということを表す都道府県マップがほしかった。
  • フィギュアスケートの選手が実際に岡山に移動した場面はあったが、ショートトラック、カーリングとアイスホッケーの選手がリンクを使えない時にどういう練習をしているのか、どういう環境で実際に日々のトレーニングをしているのかということも紹介してほしかった。
  • プロスポーツでも専用スタジアムができて課題を持っている。実際に通年リンクができることよってこんな課題が出ますが、それも含めてつくってほしいんですという思いがもう少し伝わってこないと、アスリートがわがままを言っているように見えてしまうのではないか。
  • 通年リンクができると一般市民にこんなメリットがあるというところも合わせて考えていかないと長い目で考えてもらえない。ネガティブなところではなく、もっと広い視野でポジティブなところも見せると可能性を訴えかけられるような内容になったのでは。

2.少子高齢化・人口減少が進む中、“ハコモノ”である「通年リンク」建設を求める声に共感したか?

  • 共感して、本当につくってあげてよと思いながら見た。
  • 岡山がやっているから岡山並みにすべての競技の施設をそろえるというのは無茶ではないかなと感じた。
  • 広島市はスケート団体からかけ離れているといった表現になっていたが、市の窓口は住民からいろいろな話が入ってきて大変なのではないか。市民の日常のスポーツ自体を考えていかなければならないため、ここはもう少し説明があっても良かった。
  • 予算繰りがどのように難しいのか、どれぐらいお金がかかるのか、リンクの管理会社の人が言ったような構造を取ればどれだけの費用で賄えるのかといった打開策、筋道の大まかな方向性がよく分からなかった。欲しい欲しいと言っているだけで終わってしまったのがもったいない。

以上