放送番組審議会

第544回

開催日:2025年3月18日(火)
【課題】
メンバーの勝手に社歌作ります
(2025/1/30放送)
出席委員(敬称略):

小川富之、大井美恵子、井筒智彦、稲田信司、奥田亜利沙、喜多村祐輔、木村文子、東山浩幸

 

合評での意見

【総合批評】

  • 企業紹介系の番組はいろいろあるが、社歌という切り口で見せるのはすごく面白い
  • 社歌を作るミッションにより時間に追われるハラハラ感があり、普通の企業紹介系番組とは違う面白さがある。会社のものづくりに加えてメンバー(芸人)が社歌を作るという二つのクリエイティブが入っているところも刺激的で面白い
  • あくまで社歌というのはエンタメ的な味付けとしての構成という意味で言えば、今回の番組で見せているスタイルのまま続けてもらいたい
  • 番組を続けて制作しながらクオリティーが高まれば、このフォーマットは全国番組でも展開できる企業紹介番組の新しい見せ方だと思った
  • 社歌を作るというアクションが入っていて、しかも芸人が短時間で作るというゲーム性もあり、民放テレビの作り手としての面白さがすごく伝わってくる番組
  • メンバーはすごく卓越した能力ある人たちで、しかもボケとツッコミが歌以外でも非常にあり、さらに企業の社長のキャラクターがよく、その行動力と相まって、番組自体のテンポが非常に良かったので一気に視聴することができた
  • 社歌そのものは社内の求心力やロイヤルティーを高める意味では非常にいいツールだと聞いているので、社歌を通じて会社が盛り上がるのかどうか、非常に知的好奇心をくすぐられた
  • 提案として、若手起業家を取り上げるのはどうだろうか。若くして立ち上げた企業にこの話を持ちかけたら喜ぶだろう

 
【批評ポイント】

1. 広島を元気にする番組に見えたかどうか

  • 社長のほか、社員にも話を聞き、社風がすごく伝わってきた。その企業を身近に感じられてより魅力的だった
  • 社員との会話などから、企業の明るい面や元気さにしっかりスポットが当たってたところがよかった
  • 若者が持つ中小企業のイメージ、ワンマンな社長がいて怖いのではないか、昔ながらの風土だろうといったことを変えられる。中小企業にはこんなに社長や社員が熱く、風通しがいい企業があるのだという一つのモデルとして紹介されていると見れば、一企業にとらわれず中小企業全体の紹介になっていると言える
  • 県内人口の転出超過が問題になっている。しかし、元気な企業はありますよ、むしろ知らないのは広島の人ではないですかという制作者のパッションが伝わってきた
  • 社長や社員の立場からすると、きちんと作ってほしいというのが本心だろう。見ている私もきちんと作ってあげたものを聴きたかった。限られた時間の中で立派に社歌を作っていると思うが、企業にとってすごく大事なことを茶化しているようにも見える。それは茶化すのが目的で、どうせ採用しないでしょうと捉えれば全然問題ないことだが、どこを落としどころとするのだろうか
  • バラエティー番組として見た限りはいいと思うが、企業を真剣に伝えていくという側面から見ると、失礼だという表現が出てきてもおかしくはないと感じる。これについては、何をやっても批判はあると思うので、しっかりと軸をもって制作してほしい。そうすると、いい長寿番組になると思う

2. 社歌の魅力が伝わる番組構成になっていたか

  • 今、社歌が熱いといった社歌自体の魅力が、出来上がった社歌のみならず、社歌づくりの過程にもあるということが伝わってきた
  • 社歌っていいな、というような社歌そのものの魅力は伝わらず、伝えようとしてるようにも見えなかった。しかし、そもそも伝えなくてもいいのではないか
  • 限られた時間で作った社歌には、社長の話の内容や会社見学を通して浮かび上がってきたキーワードが全部盛り込まれていた。また、会社が打ち出したいものは伝わる内容になっていた。ただ、それが魅力的な歌になっていたかというと、それは別という気がする
  • 会社の魅力や面白さはすごく伝わってきたのだが、社歌の魅力自体は、自分の中では、もっと過程があって、こういう意図があってこの内容にしましたというメンバーの考えを聞かせてもらいたかった
  • もう少し時間があればいいものが作れたのにということをあまり強調されると、もっといいものができたのではないか、この社歌はあまり使わないほうがいいのではないかという気持ちにも傾いてしまう。「一生懸命10分、15分で作りました。ただ最終的にはいいものができたので自信があります」ぐらい言ってもらったほうがよかった

以上