♠ Episode37 ｢気付いた女｣

沙耶(尾村)には付き合って3ヶ月になる彼氏・哲夫(藤本)がいた。これと言った不満はないが、沙耶にはある悩みがあった。
 
ある日、サークルのメンバーたちとバーベキューを楽しんでいた沙耶。見た目もかっこよく、陽気な雄二(さいねい)は女子たちから羨望の眼差しで見られていた。少し酔った沙耶の隣りに座ったのは、たまに飲み会だけに参加している詩織(岡崎)。2人は初対面だった。他愛もない話をし、雄二の方へ戻っていった詩織。2人の姿を目で追った沙耶は、その時、あることに気付いた。
 
後日、沙耶は彼氏の哲夫に別れ話を切り出す。身勝手だとは分かりつつも、沙耶は自分の気持ちにケジメをつけようとしていた。そして沙耶は、ある人に電話をかける。それは、詩織だった。
「今度、2人でご飯でも行かない？」
沙耶は、震える声を悟られないよう詩織を誘う。そう、沙耶は本当は女の子が大好きで、女の子と付き合いたいと思っていた。詩織の返事はOK。2人は食事だけでなく、度々遊びに行くようになっていた。
 
ある日、詩織の家にお邪魔することになった沙耶。恋バナで一通り盛り上がった後、一緒のベッドで寝ることになった。沙耶は興奮で、目が冴えまくっている。
(こんなシチュエーションになるなんて･･･でもめちゃめちゃチャンス！)
ここで沙耶がとった行動は？

「女の子が好き」本当の気持に気付いた沙耶(尾村)は､気になる詩織(岡崎)の家に泊まることに｡ベッドの中でドキドキする沙耶が撮った行動は･･･

>>A：それとなく手を握る

「こうしていたい｡」沙耶に手を握られた詩織は特に驚く様子もなく､沙耶の行動を受け入れる｡ 「甘えん坊さんなんだね｡」
沙耶は今までに味わったことのない幸福感に包まれた｡
 
それからも2人の関係は変わることはなかったが､沙耶の気持ちは収まらなかった｡意を決して､詩織に「女の子が恋愛対象である」と伝え､詩織にそっとキスをした｡それでも詩織は沙耶の思いを受け止めた｡
「偏見はないよ｡私も沙耶のことが好き｡でも､好きの種類が何なのかまだわからない｡」
 
ある日､沙耶は街中で雄二(さいねい)の姿を見かける｡雄二は男性と手を繋いでいた｡沙耶の視線に気がついた雄二は慌てたが､後日､沙耶からも同性が好きだと打ち明けられ､2人は仲間になった｡
悩みを抱える沙耶のために､雄二はレズビアンのあずみ(梅田)を紹介する｡沙耶はあずみに､同性愛の悩みを打ち明けスッキリしたが､あずみから思いもよらない言葉が帰ってきた｡
「私､沙耶ちゃんめっちゃタイプかも･･･｡」
朝まで一緒にいようとあずみから誘われた沙耶は？

レズビアンの沙耶(尾村)は､同じくレズビアンのあずみ(梅田)に､恋の悩みを打ち明けスッキリしたが､あずみから「朝まで一緒にいたい｡」と誘われた｡

>>B：一夜を共にしてみる

あずみの誘いに乗った沙耶は､その夜初めて女性の体を知り､今までに感じたことのない安らぎを味わった｡詩織を裏切った罪悪感で心は痛んだが､詩織の感情は愛情ではなく友情だと思い､関係にピリオドを打った｡
二年後ー
会社に就職した沙耶は､あずみと同棲を始めていた｡ある日､相談があると雄二(さいねい)に呼び出される｡雄二は親に対し「彼女と一緒に住んでいる」と偽り､同性愛者であることをカミングアウトしていなかった｡そこで沙耶に､彼女のフリをしてほしいと懇願する｡その場の体裁は取り繕った雄二だが､沙耶も､そしてあずみも､カミングアウトすることに対して壁を感じていた｡ただ､あずみは沙耶に対し､いちばん大事なのは二人の気持ちだと諭していく｡

時は経ち､ダイニングテーブルを囲む4人がいた｡沙耶･あずみ･雄二､そして雄二の恋人の彰だった｡4人はルームシェアを始めていた｡世間からカムフラージュするために､お互い助け合って生活している｡内々で友情結婚パーティーも行い､いつまで続くかわからないこの生活に幸せを感じていた｡

レズビアンの沙耶(尾村)は、同じくレズビアンのあずみ(梅田)に、恋の悩みを打ち明けスッキリしたが、あずみから｢朝まで一緒にいたい。｣と誘われた。

>>A：誘いを断る

｢やっぱり詩織のことは裏切れない･･･｡｣
沙耶はあずみの誘いを断り、前を向く決心をした。そして詩織に正式に付き合いたいと申し込む。詩織は、沙耶に対する気持ちがまだ良くわかっていない。そんな詩織を幸せにすると約束し、この夜、沙耶は初めて詩織を抱いた。
それから程なくして2人は一緒に暮らすようになり、普通のカップルと何ら変わらない状態が続いた。
 
半年後－
沙耶が通う大学では、雄二がゲイだった事実が広まっていた。詩織は東京への就職を考えている。沙耶は一緒に東京に行きたいというが、詩織からは自分の人生をしっかり考えなと諭される。沙耶は、詩織のスマホを盗み見て、男友達とのやり取りに怒りが収まらない。詩織は、就活相談に乗ってもらっただけと否定するが、スマホを勝手に見られたこともあり家を出ていった。そして2人の関係は終わった。
無気力状態の沙耶だったが、詩織の置き手紙に背中を押され、母親にレズビアンであることを告白した。母親は、沙耶の人生だから謝ることはなにもないと、沙耶を勇気づける。
 
数年後、沙耶は同じような悩みを抱える人の助けになれるカウンセラーをしていた。
人を好きになって一喜一憂する気持ちは、異性愛者でも同性愛者でも変わらない。沙耶は、しっかりと前を向いていた。