「トランプ2.0」…“やりたい放題”に懸念も 備えどうする

経済

 アメリカ大統領選挙はすべての州で大勢が判明し、共和党のトランプ氏が激戦州すべてで勝利を確実にしたことが分かりました。2期目を迎えるトランプ政権。どのように備えればいいのか、専門家に聞きました。

■「トランプ2.0」備えどうする

トランプ氏
「アメリカを再び偉大にすることができる」

 トランプ氏が圧倒的な強さを見せ付けたアメリカ大統領選挙。同時に行われる議会選挙でも共和党はすでに上院で勝利。現在、下院でも過半数まであと5議席というところまで迫っています。

 大統領、上院、下院の3つすべてを共和党がおさえ「トリプルレッド」となれば、議会の抵抗はなくなり、トランプ次期大統領のやりたい放題になるのではないかと懸念の声も上がっています。

トランプ氏
「この先、アメリカの黄金時代を迎えることになるだろう」

 現在、アメリカでは株高が進み、ダウ平均株価は過去最高値を更新。

 しかし、株高はアメリカ市場に限ってのことで、第2期トランプ政権、いわゆる「トランプ2.0」が世界経済にはむしろ先行き不透明感を与えています。

 それが「トランプ2.0」の目玉「関税政策」です。トランプ氏は輸入品に10%から20%の関税をかけるとしています。これに対して日本の経済界のトップらは…。

マツダ 毛籠勝弘社長
「2016年、トランプさんが当選した時も私はアメリカにいたが、当時も同じ状況で、大変難しい環境に置かれたことがある。しっかりと事実を認めて情報収集して対応を考える」

日本商工会議所 小林健会頭
「トランプ氏も年ですな。年をとってくる。年をとればとるほど頑固になる人と丸くなる人がいるが、どっちか。周りの閣僚がどう抑えていくか、どうするかということも大事なファクター」

 そして「トランプ2.0」のもう一つの目玉は…。

トランプ氏
「私はインフレを終わらせる」

 アメリカでは高い経済成長率を背景に物価も急激に上昇。生活に困窮する中低所得層を中心にバイデン政権への不満が高まっていました。

 果たして「トランプ2.0」はインフレを終息させることができるのでしょうか。

 世界的な経営コンサルティング会社でグローバル企業を支援している小林さんはトランプ氏の政策には矛盾があると指摘します。

EYパルテノン 小林暢子パートナー
「インフレ退治すると言いながら、政策を集めてみるとほぼ皆インフレ誘因型。移民政策にしてみても、入ってくる移民を絞りたい方針なので、労働力の供給が絞られると価格が上がってインフレ傾向に行くと、物価は上がる方向に行く」

 さらに…。

EYパルテノン 小林暢子パートナー
「もう1つはもっと大きな要因は関税で、関税がかかると安く買えたものが安くなくなるため、インフレに傾いていく」

 アメリカでさらにインフレが進んだ場合、私たちの生活にも影響を及ぼすといいます。

EYパルテノン 小林暢子パートナー
「ドル高、円安の基調が確定することで(日本でも)物価高が生活には一番のインパクトになる」

 今後、日本でも物価高がより進む可能性があるとみています。

 一方、日本の企業はどのように対応していけば良いのでしょうか。

EYパルテノン 小林暢子パートナー
「短期的なことに左右されず、企業としては、例えば円安が続くとか自分が左右されることなく一貫した姿勢をなるべく貫くことだと思います。トランプ発言よりも行動・法案・政策の実行度。そういったところを注視していく必要がある」

 トランプ氏の大統領就任式は来年1月20日です。

トランプ氏
「おまえはクビだ!今すぐ出ていけ!」