蔵王の樹氷「消滅の危機」 雪不足ではない“意外原因”

社会

 蔵王の樹氷に危機です。このままだと消滅の恐れが。

 銀世界にそびえ立つのは蔵王の冬の風物詩「樹氷」。雪をまとったその姿は怪物のようなことから、スノーモンスターとも呼ばれています。

 今、消滅の危機が…。

樹氷の専門家 山形大学 柳澤文孝名誉教授
「このままでいくと樹氷はできなくなると思う」

 2012年と2023年の同じ時期を比べると最近の樹氷は細くなっています。その原因は雪不足ではないのです。

樹氷の専門家 山形大学 柳澤文孝名誉教授
「全部、枯れているという状態。葉っぱがなくなってくると枝だけ残ることになって、今度、枝が折れてなくなってくると幹だけが残る」

 樹氷となるため雪などを蓄える枝が枯れてなくなったことが原因です。

 同じ木にできた樹氷を13年前と比べると枝が折れてなくなり、幹だけの状態になっているのが分かります。木が枯れたその訳は…。

樹氷の専門家 山形大学 柳澤文孝名誉教授
「気温が上がることで(虫が)生息しやすくなる、繁殖しやすくなる。そういうことはあったんだろうと思います」

 温暖化によって樹氷になる木を食べる虫が繁殖しやすくなったといいます。

樹氷の専門家 山形大学 柳澤文孝名誉教授
「小さい(樹氷になる)トドマツを取ってきて上の方に植え替えるとか、種を植えて育てていくことをすれば(樹氷は)回復していくのではないか」