買い物をした時、スマートフォンでの支払いが主流となるなか、あえて「回数券」を利用する人がいます。一体なぜ。
■好評! たこ焼き店のお得「回数券」
外はカリカリ、中はトロトロが自慢の「築地銀だこ」のたこ焼き。来月からお得に食べられるってご存じでしょうか。
うれしいのは還元される金額。11枚つづりの回数券を買った場合、最大で2828円もお得に。過去には完売する店舗も相次ぎました。
客
「買いますよ。回数券でいちいち、お金出さなくていい」
電子決済が主流になりつつある令和の時代。なぜ、レトロな紙の回数券がウケているのでしょうか。
客
「年齢が年齢だから…私いくつと思う?88です。(スマホ)持っているけど使い方が…。やっぱり現金主義だから」
アプリの登録など手続きが必要なスマホの電子決済と比べて回数券は買うだけで使えるため世代を問いません。
■夫婦の“感謝”詰まった回数券
回数券にメリットを感じているのは客だけではありません。
埼玉県越谷市のラーメン店。コシのあるちぢれ麺に合わせたのは昆布やカツオで出汁を取ったしょうゆスープ。大根おろしがすっきりとした味を引き立てます。
20代の人
「スープがしょうゆベースであっさりしていて、大根おろしが乗っているので全然重たくない」
朝は1杯500円と激安ですが、回数券を使うことで100円引きの400円に。
義けんラーメン 義健司店主
「昭和価格をできたらうれしいと思って。(回数券を)1年半やってきたが、やってきて良かった」
回数券の導入には紆余曲折(うよきょくせつ)がありました。
去年3月、店を構えた健司さん。
しかし、経営はなかなか軌道に乗らずランチタイムでも閑古鳥が鳴いていました。
このまま店を続けるべきか、思い悩む健司さんを救ったのが妻・友見さんの「回数券とかどう?」という一言でした。
妻 友見さん
「(回数券を)1回買うと1人なら5回、3カ月の間に来てもらえる約束をしているようなもの。2回、3回ときてもらえたら、もっともっと好きになってもらえると思った」
友見さんの思惑は的中。回数券の有効期間を3カ月にしたことで短い間に足を運ぶ客が増え、常連客の獲得につながりました。
常連客
「月曜日以外は毎日来る。火曜日から土曜日まで」
「(Q.(回数券の)『あ』は意味がある?)『ありがとう』って。チェックではなく『ありがとう』がいい」
感謝の気持ちがより伝わるよう、夫婦は紙の回数券にこだわりました。
義けんラーメン 義健司店主
「(紙は)手渡しできるところは意味があると思う」
なかには、こんな常連客も…。
常連客
「俺はマスターを応援したいので回数券買わない。正規の値段で応援したい」