新潟県佐渡市で13日に発生した火事は合わせて9棟を焼く大規模なものになりました。なぜここまで燃え広がったのか、専門家に聞きました。
■新潟・佐渡市 9棟被害
佐渡市で午後6時半ごろ、火花を散らしながら燃え続ける建物。付近の住民が現場に駆け付けますが、状況は把握できず、現場は混乱していました。
近所の人
「バーンッて分かった?1回爆発したよな?」
「俺は分からん。従業員が前が火事だって言うから。一気に燃え上がった感じ」
「防災無線は鳴ってた。春日3丁目って」
そして集まった人が見つめるなか、建物が次々と崩れ落ちていきます。
近所の人
「台所から火が出て、なんかびっくりしたんだか知らんけどさ。うちの従業員が仕事していて、なんか爆発の音がして見たら向こうの奥の方から煙が上がっていた。第一発見者は誰か分からない」
火事が起こる前のこの一帯は、のどかな住宅街が連なっていました。その住宅街を炎がのみ込み、形が分からなくなるほど建物を焼き尽くしました。
火は次々と燃え広がり、住宅や倉庫など合わせて9棟が焼けました。火元の住人の80代男性は病院に搬送。命に別状はないということです。
近隣住民
「私が見た時は窓からすごい勢いで火が出ていた。火の回りも早かった感じ。すぐ目の前だったので、とても怖かった。2階にいた長男が窓から爆発音を聞いて、外を見たらすごく炎が窓から噴き出していた。慌てて皆逃げた」
「親の話だと一番端の家の方から爆発音が聞こえたと、ガスの。正直、ぼうぜんとしていた」
■なぜ大規模火災に?「発見遅く」
元麻布消防署長の坂口隆夫さんによりますと、大規模となった今回の火事は通報の遅れが原因だといいます。
元麻布消防署署長 坂口隆夫さん
「火災を発見した人が、その火元の人ではない。近所の人が発見しているのは、発見が遅かったということ。発見が遅かったということは、延焼を拡大してから発見されている。それから119番通報され、消防車が到着した時には延焼を拡大していたと考えられる」
13日未明には青森県八戸市でも物置小屋や隣接する住宅合わせて4棟が焼ける火災があり、焼け跡からは男性1人の遺体が見つかりました。こちらも通報は付近の人からです。
通報した付近の人
「変な臭いがするということで隣を見たら火が出ていて、火事だって気が付いて119通報したんですよ」
元麻布消防署署長 坂口隆夫さん
「映像を見る限りですね、かなり建物が密集していますね。建物自体もほとんど建物と建物が接しているような状況。延焼が拡大しやすい街区の構造になっていた」
空気が乾燥し、延焼しやすくなっていくこの時期。佐渡市では13日までの7日間、湿度が下がっていた日が多かったといいます。
元麻布消防署署長 坂口隆夫さん
「乾燥するということは木材などの中に含まれている水分含水量が減るということ。そうすると火がつきやすくなる。まず注意しなければいけないのは、湿度が50%以下になったら注意しなければいけない」