必要な支援は?東京でも「内密出産」受け入れへ

社会

 東京・墨田区で医療機関としては国内2例目となる「赤ちゃんポスト」の設置や「内密出産」を受け入れる計画が進んでいます。

 内密出産。それは匿名での出産を望む妊婦が病院の担当者だけに身元を明かして出産すること。

 墨田区の病院が今年度中に、この内密出産と赤ちゃんポストの運用を開始するとして今、話題となっているのです。

 望まぬ妊娠や孤立出産に悩む女性による事件などを防ぐため、医療機関としては国内で2例目の運用となるのですが…。

X(旧ツイッター)から
「東京で無責任に子どもを作る人が増加しない?」
「内密出産して預けちゃえって人が増えそう…」

 年間2万5000件以上もの人工妊娠中絶がされる「東京」という街で、無責任な妊娠を助長させるのではと不安の声も上がっているのです。

 そもそも、実は内密出産を巡ってはまだまだ多くの課題が…。

 17年前に国内第1号の赤ちゃんポストを開設した熊本市の慈恵病院では、2021年に初めて内密出産を行ったことでも話題に。

慈恵病院 蓮田健院長
「赤ちゃんには罪も責任もありませんので、できれば赤ちゃんの健康と幸せのために、出自のこともありますけど、目をつぶってお許しいただければと思います」

 当時、国からは「違法行為にあたらない」と初の見解が出された一方、「法整備の必要性」が訴えられることとなりました。

国民民主党 伊藤孝恵参院議員
「もしかしたら違法行為に手を染めているのではないかと、命を守る人たちが今、悩んでいる状態なんです」

 その後、国からは内密出産のガイドラインが出されることとなりましたが、これはあくまでも「ガイドライン」。いまだ法整備には至っていません。

 果たして、望まない妊娠と出産に必要な支援とは何なのか。