猪口邦子参院議員の自宅が燃え、2人が死亡した火災。鎮火までの9時間の謎に迫ります。
■鎮火に9時間なぜ 猪口議員宅で火災
閑静な住宅街が騒然としたのは27日夜のこと。東京・文京区にある猪口参院議員の自宅マンションで火事があり、2人が死亡しました。
近隣住民
「バルコニーの角で人が手を振って助けを求めていた」
火元となったマンションを地図で見てみると、猪口議員の自宅である6階はワンフロアで、周りを庭が取り囲んでいます。
この火元の家には猪口議員夫婦と娘2人の4人が住んでいました。火事が起きた当時、猪口議員は事務所で仕事をしていて、次女は外出中でした。家には夫と長女の2人がいたそうです。
警視庁は亡くなった2人が夫と長女の可能性が高いとみて調べています。
近隣住民
「大学教授の人が住んでいるのは知っている。あそこが全部ワンフロアで一軒だというのも知っていた。ルーフバルコニーに時々出て、水やりをしている様子を見た」
「(家族構成は)娘さん2人。あと夫婦じゃないかな。(夫は)杖を付いて歩いているのを見たことがある」
上智大学教授などを経て2005年に初当選した猪口議員。小泉チルドレンとして初代少子化大臣などを歴任しました。初当選の際は夫である政治学者の孝さんの姿も見えます。
猪口邦子議員(当時53)
「(Q.旦那様へ一言?)ありがとう」
夫・孝さん(当時63)
「皆のために役立つ人になってほしい。良いところをどんどん出せるような市民のために働ける政治家になってほしい」
娘2人についても話していました。
猪口邦子議員(当時53)
「(Q.2人の娘さんからはどういう言葉を?)ママ良かったね」
■鎮火に9時間 なぜ 当時夫と娘の2人
最初に通報があったのは今月27日午後7時10分ごろ。いったん火の勢いは収まったように見えましたが…。
通報から3時間以上すぎ、火の勢いは再び強くなります。消防隊が懸命に消火に努めるものの、鎮火には至りません。
現場を見ていた人
「消火しても消火してもずっと燃えていた。両方から放水しても全然、消えない」
■鎮火に9時間 なぜ「放水も消えない」
現場の映像を見ると強い風が吹き、煙が流されている様子が見て取れます。27日、東京都心では最大瞬間風速12メートルを超える風が吹いていました。
消防によりますと、鎮火したのは日付が変わった28日午前3時51分。最初の通報から9時間近くが経っていました。
周辺住民
「風が強いので、きょうは火もすごかったけど、煙が南風で風が強すぎて火が止められない感じはすごくした」
■鎮火9時間 なぜ はしご車入れない?
なぜ、これほど時間がかかったのか。そこには都会ならではの“死角”も見えてきました。
現場のマンションは最寄り駅は地下鉄春日駅。大通りから一本入り、細い路地が続く立地で、その先は行き止まりです。
27日の映像を見ると消防車は大通りで止まり、何本ものホースが伸びている様子が分かります。地上のカメラを見ても住宅街に長いホースが何本も伸びています。
現場にいた人は一様に、こう証言します。
近隣住民
「消防車が入る道が狭くて入れないので、大きい通りから入ろうとしたが通れなくて、救急隊が奥に走っていった」
「道が狭いので消防車が入ってこられない。ホースを下から伝って6階まで上げるので、すごく時間がかかっていてなかなか放水できない状態だった」
消火に時間がかかった理由は、それだけではありません。
現場を見た人
「建築の専門家だが、普通マンション燃えないんですよ。せいぜい床が燃えるくらい」
「(Q.建築の方から見ても不自然な燃え方?)あれだけ燃えるっていうのはなかなかないこと」