あすから「マイナ保険証」に一本化 利用率まだ15%…移行進むか 情報漏洩対策は

社会

 2日から現行の健康保険証が新たに発行されなくなり、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に一本化されます。多くの人が懸念をもつ情報漏洩(ろうえい)のリスクについて取材しました。

 患者は「マイナ保険証」をカードリーダーにかざし、4桁の暗証番号を入力。または顔認証で本人確認を行います。

 ただ、全国での利用率は15%ほどにとどまっています。

 実際、どのぐらいの人が使っているのでしょうか。都内にあるこちらの薬局では…。

pharb 中川聡代表取締役
「体感なんですけど、だいたい2%~3%くらいの方がマイナンバーカードを持ってスキャンしてくれています」

 また、ある調査では全国の7割の医療機関からトラブルや不具合があったと報告があります。

pharb 中川聡代表取締役
「『持ってますか?』って聞いたら、作っていない。しつこく何度も聞かれてお怒りの方はいらっしゃる」

 「マイナ保険証」の活用は患者側にもメリットがあるといいます。

pharb 中川聡代表取締役
「お薬手帳から抽出できない併用薬の確認や特定検診のデータを見られるので、より安全な医療を提供できる面はかなりメリットがあると思います」

 他にも受付での待ち時間が短縮されるメリットもあります。

機械音声
「内容を確認しボタンを選択してください」

 診察券の提出もなく、受け付けは簡単に終わりました。

マイナ保険証を利用 60代の人
「一回入手したら便利です。健康保険証より絶対良いと思います」

 2日から新規発行が停止される保険証。今の保険証も最長1年は使えますが、政府は「マイナ保険証」への移行を呼び掛けています。

 さらに、来年3月24日からは運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用も開始されます。

 マイナンバーカードのICチップに運転免許証の番号や顔写真、眼鏡の有無など使用条件を記録することで運転免許証としても利用できるようになります。

 従来の免許証の発行も継続され、マイナ免許証と両方を所持することも可能です。健康保険証に続くマイナンバーカードへの一体化。危険はないのでしょうか。

ノートン 広報担当 櫻井理沙さん
「偽造されたりということもあります」

 セキュリティーソフトを開発しているノートンの櫻井さんによりますと、マイナンバーカードの取り扱い方には最新の注意が必要だといいます。

ノートン 広報担当 櫻井理沙さん
「実際にトラブルとしてあり得るのは、まず悪用というところ。例えば高額な時計とかジュエリーとかを買われる」

 実際に、偽造マイナンバーカードを使って携帯電話を乗っ取り、高級腕時計を不正購入されるなどの被害も出ています。こうしたことを防ぐためには個人情報を盗まれないのが一番の対策だといいます。

ノートン 広報担当 櫻井理沙さん
「QRコードが後ろについているが、そこの部分も読み取られてしまうとマイナンバーカードの番号が出てしまうので、QRコードの部分とかも、むやみやたらに置かないことも大事」

 マイナンバーカードをスマホで撮影した場合にも危険が潜んでいるといいます。

ノートン 広報担当 櫻井理沙さん
「(Q.マイナンバーカードを写真に撮って個人情報を登録する場合もあるが?)例えばスマホがハッキングされた場合、撮った写真がフォルダーに入っているとマイナンバーカードを知られてしまう可能性も」

 写真を撮ったとしても、その都度消去してデータを残さないことが大事だといいます。