どうなる赤字ローカル線 久留里線一部“廃線”へ 一方活性化した路線も

社会

 JR東日本は、赤字が続く久留里線の一部の区間で鉄道の運行を取りやめる方針を明らかにしました。人口の減少が加速するなか、赤字のローカル線は存続できるのでしょうか。

■JR久留里線の一部 廃線へ

地元の人
「さみしいし、よく使っていたので交通が大変になるなと思う。ショックといえばショック」

 千葉県の南西部を走るJR久留里線。

 JR東日本は木更津駅からおよそ32キロを走る路線のうち、久留里駅から上総亀山駅までのおよそ9.6キロの区間を取りやめる方針を明らかにしました。

 災害によって運休した路線などを除くと、管内では初の廃線となります。

 JR発足時の1987年度には1日平均で823人が利用していましたが、2023年度にはおよそ9割減の64人にまで減少しました。

 JR東日本は廃線にした後、バスなどを中心とした交通体系へ移行する方針です。

地元の人
「やっぱり、にぎやかさが無くなっちゃう。火が消えたようになる」
「バスの方が便利になることもあるかなと思ったりする。高齢者多いので」

■赤字のローカル鉄道 どうなる

 JR東日本によると、管内には1キロメートルあたりの一日の平均利用者数が2000人未満の線区は全部で36路線72区間。2023年度はそのすべてで赤字、合計で757億円です。

JR東日本 土澤壇千葉支社長
「赤字ローカル線だから切り捨てるのかというご指摘もございますが、経営が苦しいから廃止するという単純な話ではないとご理解いただきたい」

 青森県のローカル線も事実上の廃線が決まりました。

 大鰐駅と中央弘前駅との間、13.9キロを結ぶ大鰐線。運営する弘南鉄道は大鰐線を2027年度末で廃止を前提とした休止にすると明らかにしました。

 利用者の減少で赤字が続くローカル鉄道。今後、黒字に転換する見込みはあるのでしょうか…。

元国交省担当 荒木基デスク
「正直、赤字ローカル線が今後、黒字転換し、収益をあげる見込みは非常に少ない」

 ただ、ローカル線を活性化させている事例もあるそうです。

荒木デスク
「小湊鉄道という私鉄があるんです。鉄道だけではやっていけなくて、バス会社としても非常に収益をあげている。色々な観光列車、あるいは鉄道愛好家が好きそうな国鉄の昔の車両を持ってきたり、観光路線として客を集め活性化につなげ、鉄道路線の維持につなげていく」