東北大学などの研究チームは能登半島の地形が今年の元日の能登半島地震のような地震の繰り返しによって作られた可能性が高いと発表しました。
能登半島は日本海側では最大の半島で、過去数十万年にわたる隆起の跡が海岸沿いに階段状に広がるように記録されていて、元日に発生した能登半島地震でも様々な地形の変化が確認されています。
こうしたなか、東北大学と東京都立大学、大分大学、ドイツ地球科学研究センターによる研究チームは衛星レーダ画像などの解析と現地での調査を合わせ、元日の地震と能登半島の地形との関係を調べました。
その結果、現地で調査した海岸沿いで生じた隆起は衛星画像解析などによる隆起量と一致したということです。
また、能登半島では北側の方が大きく隆起していて、南側に向かうに従って変動がなくなっていくような分布も確認されました。
能登半島北部は北側の沿岸に切り立った崖が分布していて、南側に進むにつれて標高がなだらかに低くなっています。
このような能登半島の地形の特徴が元日の地震による地殻変動のパターンと一致していることから、能登半島地震のような地震の繰り返しが現在の能登半島の地形を作った主な要因だとしています。
今回の地震では海岸沿いで4.5平方キロメートルにわたって陸化されたと算出され、浸食などの影響を受けながらも隆起の跡として残るものとしています。
東北大学の福島洋准教授は「測地学」「地震学」「地形学」の専門家らが集まり、地形と地震の関係を統合的に見た今回の研究は貴重であるとした一方で、今回のような大規模な地震が過去に繰り返し起きた直接的な証拠は十分でないとして、今後の調査に期待したいとしています。
この研究成果は科学誌「Science Advances」に掲載されます。