今年、日本に暮らす外国人は350万人を超えて過去最多となりました。外国人とどう共生していけばいいのか、東京の「リトルインディア」に鍵がありました。
■「リトルインディア」に共生のカギ
東京・江戸川区には都内に住むインド人の約4割にあたる7000人以上が暮らしています。中でも西葛西は日本一インド人が多い町として知られています。
紅茶の輸入会社を営むジャグモハン・チャンドラニさん(72)。46年前に来日して以来、西葛西に住み続けています。
チャンドラニさん
「私たちが初めて、初めてのインド人。江戸川に住んだ2人」
2000年問題に対応するため、当時IT大国として有名だったインドから多くのエンジニアが来日しました。住み慣れない日本で、多くのインド人がチャンドラニさんを頼ってくるようになりました。
チャンドラニさん
「(部屋を借りるインド人の)保証人になった。だけどワイフに言わなかったの。怒るからね」
チャンドラニさんが主催するインドの祭りも今年で25回目を迎えました。インド人と地元住民の交流の場となっています。
地元住民
「皆さんいつもニコニコして子どもにも手を振ってくれるので、仲良く一緒に暮らしていけて良い方々だなと」
インドコミュニティーが受け入れられるまでには苦労もありました。
チャンドラニさん
「火をともす祭りがあるの、インドでは。それをやっちゃったの。そうすると火事になるじゃないかと。インドの方としては何が悪いのか分からない。日本の習慣では、火事のことはかなり厳しいよと説明した」
一方で、日本社会に溶け込んだインドコミュニティーを知ろうとする動きが広まりつつあります。「ナマステ江戸川区」の近藤祐市代表(40)は学生たちにインド文化に触れてもらうための活動を4年前から始めました。
チャンドラニさんと親交のある「ナマステ江戸川区」 近藤祐市代表
「インドでは来てくれた方を神様として扱ってくれるので」
この日、群馬県から参加した学生はインド人の家庭で本場のカレーを味わいました。
群馬から参加した学生
「結構、辛い」
チャンドラニさんと親交のある「ナマステ江戸川区」 近藤祐市代表
「身近なことからつながっていくことが大切かなと思います。身近なものが点と点になって、線となって、それが面となっていくという時期は必ず出てくるので、面となる場面を増やしていくことが大切かなと思います」
チャンドラニさん
「これからはコスモポリタン(国籍は関係ない)。コスモポリタンになればどこの国の人間でも西葛西人だと。ここ(西葛西)に住んでるでしょ。ここがまず拠点だから。一つは(共生は)無理やりさせることではない。時間を与えることと、強制しないこと。この2つが(共生のための)キーじゃないかと思うんですよね」