経済3団体のトップが年頭の所感を発表し、2025年の日本経済は、2年続いた春闘での大幅な賃上げの流れが維持できるかが焦点になると訴えました。
経団連 十倉雅和会長
「(今年は)日本経済にとってはまさに“分水嶺”というか、デフレマインドを完全脱却して、新たな成長ステージに向かうことを固める重要な年」
今年5月で任期を終える経団連の十倉会長は残りの任期に力を入れるテーマとして、春の労使交渉での「賃上げの定着」を挙げました。
そのうえで「適度な物価上昇に対し、企業が生産性の向上を含めて賃上げするという考え方が根付くことが大事」と強調しました。
経済同友会 新浪剛史代表幹事
「手取りをどうあげていくのか、働く人たちが将来に向かって希望を持つ仕組み作りに取り掛かる年である」
経済同友会の新浪代表幹事は介護や建設、運送業などのエッセンシャルワーカーについて人手不足が深刻化していると指摘しました。
生活に必須な業種を認定して従事者を増やしたり、最低賃金よりもより高い最低賃金の設定を可能にするといった「目指す像を示さないと、社会が回らなくなる」と訴えました。
日本商工会議所 小林健会頭
「2025年は小規模事業者の底上げをしなきゃいけない。賃上げをして労働者にも報いて生産性も向上させて正のスパイラルに持っていこう」
日本商工会議所の小林会頭は中小企業の賃上げの原資を確保するため、今年も価格転嫁の推進などを政府と一体となって取り組んでいくとしました。
また「経済全体は緩やかに上昇方向に向かっているのは間違いない。希望を持って賃上げしてほしい」と呼び掛けました。