ミャンマーの国境地帯にある詐欺拠点に外国人が監禁されている問題で、国境警備隊が先ほど、日本人もいるとされる拠点に突入しました。タイ・ミャンマー国境付近から報告です。
(藤富空記者報告)
ミャンマーの国境警備隊によりますと、本日、KKパークの一斉捜索に入ったということです。詳しい時間は分かりませんが、午前中に取材した際には特に変わった様子はありませんでした。KKパーク内を歩いている人の姿も確認できました。
今も見えている範囲では特段変わった様子はありませんが、KKパークは広大なため、どこかで捜索が続いている可能性はあります。
監禁されている人の数についてですが、国境警備隊は正確な数字は調査中としつつも、拠点には1000人から2000人の外国人がいるとみています。またタイの市民団体は、日本人5人がKKパークに監禁されていると指摘しています。
国境警備隊は今月中にも国境地帯にある詐欺拠点の一掃を目指していて、監禁被害者の救出に向けた動きが続いています。
■ミャンマー国境 日本人も監禁か
タイの首都バンコクからおよそ400キロ、ミャンマー東部、タイと国境を接するカレン州のミャワディ。政府の統治が及ばない地域で、複数の犯罪拠点が点在しています。その一つが「KKパーク」です。
対岸のタイの住民によると、2年ほど前に作られたというきれいに区画整理された街は、ほぼ丸ごと犯罪拠点とみられています。タイの市民団体は、KKパークには5人の日本人が監禁されていると指摘しています。
タイ入国管理局 チャイヤ・パーナキット警察大佐
「KKパークは詐欺のコールセンターやオンライン賭博の拠点として世界的に知られています。犯罪拠点を摘発することは非常に困難でした。この地域を支配する少数民族の武装グループなどの協力が必要になるからです」
きょう、そのKKパークを含む犯罪拠点に国境警備隊が踏み込みました。
犯罪グループは、各国から人をミャンマーに集めて監禁。ノルマを課して詐欺を行わせ、達成できない場合は拷問を加えていたといいます。
監禁されていたバングラデシュ人 アリヤンさん
「毎日のように電気ショックの“罰”を受けました。先週もノルマを達成できなかったので、電気ショックを与えられました」
スタンガンのようなものを足に当てられたといいます。
英語ができるアリヤンさんは、SNSを通じて知り合った相手に信用させ、嘘の投資話で金をだまし取っていたといいます。
監禁されていたバングラデシュ人 アリヤンさん
「どうしようもありませんでした。やらなければ罰が待っているのですから。ノルマが達成できないのは毎日のことなので、毎日5分間電気ショックを与えられました」
自力で犯罪拠点から逃げてきたアリヤンさん、中には日本人もいたと話しています。その日本人については、2人の高校生が相次いで犯罪拠点から保護されていて、うち1人は、やはり電気ショックの罰を受けたと話しています。
愛知県の高校生(16)
「電話で警察官などをかたる詐欺に加担させられていました。他に8人くらいの日本人が同じ仕事をしていました。自分も一度、足に電気ショックを与えられました」
犯罪拠点では中国の犯罪グループが活動しているとみられるほか、タイ警察は日本を拠点とする「チャイニーズドラゴン」と呼ばれる組織も関与しているとみて捜査しています。