中国で、去年の婚姻件数が前の年から2割減少し、過去最低水準を更新しました。少子高齢化が加速する中国社会の今を取材しました。
■婚姻数減少…幼稚園が養老院に
中国・浙江省金華市にある養老施設。毎朝の日課となっている体操が行われています。食事はビュッフェ形式。
利用者(94)
「(Q.おいしいですか?)とてもおいしい」
ところが、この施設の外を見てみると、子どもたちが遊ぶ遊具がありました。看板には5歳から10歳向けの遊具と書かれています。
外を散歩する高齢者もいますが、もちろん、こうした遊具で遊ぶことはありません。
実はここ、元々は幼稚園だったのですが、リフォームし、養老院に生まれ変わった建物なのです。
養老施設のオーナー
「これは当時の幼稚園の卒業写真です」
「(Q.一番多い時、子どもは何人いた?)300人近く。それが閉園する2023年には120人くらいになっていた」
中国では1949年の建国以来、初めて3年連続で人口が減少。急速に少子高齢化が進んでいて、幼稚園として経営していくのは厳しい状況になっているのです。
養老施設のオーナー
「民営の幼稚園は何か生き延びる方法を探らなくてはいけません。方法がないと、もう閉めるしかない」
中国では低い出生率を背景に「産科の冬」到来との声も出ています。
■少子高齢化が加速 中国社会のいま
婚姻数も激減しています。2024年の件数は610万6000組で、前年から20%以上、減少しました。
こうしたことに危機感を強めているのは親たちです。
白い紙は独身の子どもを持つ親らが結婚相手を探すため用意したもので、我が子の年齢や身長、学歴、年収などのプロフィールと連絡先が書かれています。
ところが、若者の姿はほとんどなく、見ているのは親とみられる人たちばかり。こうした現象は中国各地の公園で起こっていて「親同士の代理見合い」の場となっているのです。
娘を持つという親は…。
娘を持つ親
「若者は婚活する気がない。親が焦っているから子どもの世話をしているんだよ。一生懸命やっている親に子どもは断れない。反対しても無駄ですね」
中国の若者は結婚についてどうのように考えているのでしょうか。
20代 大学生
「独身の一人の方が自由だ。お金があれば全部自分に使える」
22歳 社会人
「今の若者は結婚に興味がないかもしれない。遊びが好きだと思う。あとは結納金が高いからだ」
19歳
「結婚は2人の性格が合うことが必要。結婚したらお金は全部自分に使えなくなり、2人で分けることになる」
中国は、少子化に歯止めを掛ける狙いで結婚の手続きを簡略化する改正案を21日、可決しました。これまで親が管理していた戸籍簿の提出が不要になり、男女2人の同意だけで結婚できるようになります。