「奇跡的」名物社長もビックリの安さ! 狙い目の夏野菜は?

社会

 一時期、店頭で500円を超えていたキャベツ。21日は100円台にまで値下がりしています。さらに、農家の人に聞くと今後の狙い目は「夏野菜」だといいます。

■キャベツ500円超→100円台に

 185℃の油で数分間揚げてサクサクに仕上がったのは「とんかつ」ではなく「とりかつ」です。自家製のタルタルソースをたっぷりかけて、できあがり。

 東京・高円寺にある国産とりかつ定食が食べられる飲食店。物価高のご時世に、うれしいのが、山盛りごはんとキャベツ。おかわり無料です。

客(40代)
「キャベツもおいしい。シャキシャキで。家でこんなにいっぱい出ないので。こういうところでいっぱい食べられるとうれしい」

 コメの価格が高止まりするなか、最近はキャベツの価格に一安心の状況です。

とりかつたるたる金いろ 大越玄也代表
「(キャベツの仕入れ値は)300円くらいは下がったイメージ」

 年明けに1玉600円近かったキャベツの仕入れ値は現在、300円前後にまで下がりました。

とりかつたるたる金いろ 大越玄也代表
「店を始めた時からもうおかわり自由で、お客様におなかいっぱい食べてもらうコンセプトなので、今はすごく助かります」

 春は気温の上昇とともに多くの野菜が値下がり始める季節。春の野菜予報。今お買い得なのは。

 野菜のスペシャリスト、スーパー「アキダイ」の秋葉社長に「今お買い得な野菜」を聞きました。

 まずはやっぱり…。

アキダイ 秋葉弘道社長
「こちらのキャベツ。2Lサイズで158円(税別)」

 一時期は店頭で税別480円だったのが、春キャベツ1玉158円と格安に。

客(60代)
「本当に大きくて重たい。とにかく安い。春キャベツがおいしいのでどんどん買っちゃいます」

 農林水産省の統計でも年始に1キロ353円だったのが112円と、平年の120円を下回っています。

 茨城県の農家を訪ねると、平年を下回った理由が分かってきました。

鈴木農園 鈴木弘晃さん 
「冬のキャベツを今まで引っ張ってとっている」

 春キャベツが出回り始めたことに加えて、冬キャベツの収穫が遅れたことも価格が落ち着いた要因の一つとみられます。

鈴木農園 鈴木弘晃さん 
「去年の12月、1月、2月、4月の頭、寒さが続いていた。遅れていたものが最近の暖かさでグッと伸びたのが考えられる」

 最近の暖かさで遅れていた冬キャベツの生育が一気に進み、味も抜群だといいます。

 ただ、この“暖かさ”には注意も必要です。

アキダイ 秋葉弘道社長
「25℃を超えて30℃近くいったりすると、高温の影響で物が駄目になってしまうなど非常に心配はある」

 キャベツは天候次第で価格が上がる可能性もあるため、たくさん買うなら、まさに「今」がおすすめ。

■なぜ?ジャガイモ“高止まり”

 一方で、暖かくなっても高止まりしそうな野菜が…。

アキダイ 秋葉弘道社長
「こちらですね。新ジャガイモ」
「(Q.値札見ると『高くてごめんなさい』?)もう謝りました。ちょっとの間はどうしても物を集めるのが精一杯になって」

 今、ジャガイモが品薄で、高騰しているといいます。

アキダイ 秋葉弘道社長
「常識を超えた値段。ジャガイモの値段ってこれくらいの量だったらせいぜい200円。それが300円後半になっています」
「(Q.なぜそこまで高い?)たくさん理由がある。北海道産のジャガイモが早く終わってしまっている。今出ているのは鹿児島産。生育が悪かった」

 秋葉社長はジャガイモはゴールデンウィーク明けまで高止まり。また、似た理由で同じ備蓄野菜のニンジンも3割高で推移…。タマネギはこの先、値上がりしていくとみています。

■「奇跡的」狙い目の夏野菜は?

 反対に、この先、安くなっていきそうなのが…。

アキダイ 秋葉弘道社長
「安くなるものがこちら。トマト、ナス、ピーマン。流通量が増えて値段も安い。2割くらい安い。平年より2割安いのは奇跡的だと思って下さい」

 茨城県の農家でも、その傾向が表れ始めていました。

鈴木農園 鈴木弘晃さん
「(Q.葉は大きい?)すごく成長している。ありがたいことに」

 トウモロコシの畑です。夏を前にして、豊作に期待を寄せています。

鈴木農園 鈴木弘晃さん
「今の気温はトウモロコシにとってはすごくいい気温、今年、例年よりも(早く)成長している。期待を持っている」

 密接に関わる「気候の変化」と「野菜の価格」。「野菜予報」は、この先も目が離せません。