突然、ウクライナとの停戦を宣言したプーチン大統領。どうやら一方的な宣言の訳は「トランプ大統領へのメッセージ」でもあるようです。
■プーチン氏“停戦宣言”狙いは?
“イースター停戦”はならず、延長されることもありませんでした。
ロシアのプーチン大統領が突然の宣言をしたのは19日のことでした。
プーチン大統領
「人道的な配慮から本日18時から月曜日の午前0時まで、ロシア側はイースター停戦を宣言する。その期間中は、すべての戦闘行為を停止するよう命令する」
ロシア正教会のイースターにあたる19日午後6時からの30時間の一時停戦を宣言したのです。
ただ、これはウクライナ側と協議したものではなく、一方的に宣言したもの。
ウクライナ・ヘルソン州知事のSNSへの投稿では…。
ヘルソン州知事
「プーチンを信じてはいけない、嘘をついている。これがプーチンの言う“イースター停戦”だ」
“停戦期間中”にマンション7棟と民間人の車がロシアのドローン攻撃を受けたと言います。
ロシア側もウクライナが攻撃を続けたと主張。日本時間の21日午前6時、“イースター停戦”は終了しました。
一方的に停戦宣言。プーチン大統領の思惑は。
笹川平和財団 畔蒜泰助上席研究員
「所詮、急に(停戦を)発表しても散発的な攻撃が起こるでしょうし、それは承知のうえで、あえてロシア側が言い出すことでより“和平に対して真剣”だと、特にアメリカにメッセージを送る意味合いが強かった。トランプ大統領に対するメッセージということ」
狙いはアメリカとの交渉に応じる姿勢を見せることだとみられます。
ただ、ここにきてアメリカは仲介から手を引く可能性も示唆しています。
笹川平和財団 畔蒜泰助上席研究員
「アメリカ側がウクライナに対して積極的な関与を行わないということを意味するなら、むしろ軍事的にロシアにとって有利な状況が生まれる。それもロシアにとっては受け入れ可能なシナリオ」