どうやって1人でも多くの人に避難してもらうか。去年の豪雨災害で被災した自治体の、あの手この手の取り組みが進んでいます。
広島市の調査では土砂災害の危険地域ですら2割しか避難しませんでした。被災自治体の新年度予算案では様々な情報を伝える取り組みが盛り込まれました。
坂町は新年度から屋内で使える防災行政無線の受信機を、町内の全世帯およそ5600戸の希望者に配ります。坂町環境防災課の西谷伸治課長は「河川の側の家もあるし音が聞こえにくい。高齢の方もいますし(避難情報を)確実に届ける1つのツールと認識している」と話しました。
一方、東広島市ではさらに大胆な取り組みが。このFMラジオは、避難情報が発令されると自動で緊急放送する仕組みになっています。東広島市危機管理課の細谷和志課長は「高齢者の方や障害をお持ちの方に、確実に災害時の緊急情報を届けるためにラジオを拡大して配布する」と話しました。無償配布の対象は高齢者や要介護者などのいるおよそ1万5千世帯。新年度はまず6000台の予算を計上しました。細谷課長は「避難された方が思ったより少なかった。市民の皆さんに(防災意識を)備えていただく活動をしていきたい」と話します。
広島市や呉市でもサイレン音の聞こえづらい地域に防災行政無線屋外スピーカーを増設するなど対策を進めています。どうすれば避難してもらえるのか、自治体の模索が続いています。