透き通った日本酒の中に漂う金箔。
明治44年創業の酒店が作る日本酒「金持酒(かねもちざけ)」です。
すっきりと飲みやすく、あとからお米を感じる味わいが特徴。
店がある「コイン通り商店街」の近くに造幣局があるため、
「金持神(かねもちがみ)に会える街」として売り出しています。
店頭に立つ、清水志野(しみず・しの)さん。
7年前、20歳の時に京都からこの老舗酒店に嫁いできました。
今ではお店の営業部長として、県内はもちろん
東京や大阪などのイベントで出張販売をしています。
何年もかけて、金持酒を各地でPRしてきましたが、
新型コロナウイルスの影響で老舗酒店は
いまだかつてない“経営の危機”に立たされています。
出張販売するイベントが軒並み中止になってしまい
倉庫には販売するはずだった「金持酒」の在庫の山が…。
同じ商店街にあるライブハウスでも
3月のイベントがほぼすべてキャンセルになるなど
頭を悩ませていました。
いつまで続くかわからない新型コロナウイルスの影響。
そんな不安の中、お店の、そして商店街の
活力を取り戻そうと志野さんは“ある取り組み”を始めました。
それは、クラウドファンディング。
リターンには在庫となっている「金持酒」や
コイン通り商店街で使える商品券などがついてきます。
さらに、悩みを抱える地域の人のためにある活動にも力を入れています。
外出自粛で家から出られず、買い物に行けない人のために
配達途中の買い物代行を請け負っているんです。
嫁ぎ先の老舗酒店を守るために。
そして再び活気あふれる商店街を作るために。
新型コロナウイルスに負けず奮闘する
4人の子の母は、きょうもお店に立ち続けます。