先週水曜日に県による休業要請が始まって1週間。客が大幅に減った飲食業界では宅配やテイクアウトに新たな活路を見出そうとしています。
いつもと変わらぬ料理の光景。ですが、作っているのはテイクアウトの弁当です。鶏肉のトマト煮、ポテトサラダなど4種類のタパス=小皿料理が入った日替わりのパエリア弁当。そしてパスタボックスはトマトクリームなど日替わりパスタとサラダがセットになっています。
流川でスペインやイタリアなど地中海沿岸の料理を提供している「路地裏のタパスイシオカ」。県からの休業要請があった今月22日から休業し、現在は宅配とテイクアウトだけ注文を受け付けています。
宅配の注文は1日5件から10件。テイクアウトも30~40件ほどと注文が入っています。しかしアルバイトも休ませ調理の音だけが響く店内にさみしさを感じるといいます。
路地裏のタパス イシオカの石岡大資さんは「人もいない閑散とした感じになっていて、テイクアウトのみだけ。お客さまに取りに来ていただくようになっているので死んでしまった商店街のような感じの状態になっているのがこの1週間の本当の現状」と語ります。
メニュー作りの際はふた付きの容器でしか保健所の許可が下りないというのも壁となるなど、持ち帰りのルールに困惑しているといいます。「例えば真空パックにしてアヒージョをお客さまにご家庭に届けるのはやりたかったけど、(指導で)できないので、アヒージョは容器にふたをして届けている」と話しています。
宅配とテイクアウトの売り上げは通常時の1割から2割程度。店舗の維持や従業員の確保などを考えると苦しい状況は変わりません。「宅配とテイクアウトを強化して雇用をそのまま維持できるようにがんばりたいなというところがひとつの目標」。
県の休業要請からまだ1週間。賑わいが戻るまでの長い日々をなんとか耐えようとしています。