新型コロナの感染拡大で県内でも保育施設の休園が相次いでいます。仕事を持つ親の不安、また保育施設が抱く「感染」以外の懸念とは。
安佐南区にある「認定こども園くすの木祇園」。0歳から5歳までの105人が通っています。
最近では1日あたり10人ほどが、体調不良や新型コロナの感染予防などで自主的に登園を控えているということです。
認定こども園くすの木祇園 堀江宗巨園長「子どもたちやスタッフに陽性者が出ると、すぐに休園や登園停止みたいな措置になっていきますから、やはり緊張感が高まります」
広島市では今月に入って臨時休園をする保育施設が増加しています。
市によると園内で感染者が出た場合、濃厚接触者が特定されるまでは臨時休園にし、その後は感染の広がらないことが確認されるまではクラス閉鎖などの措置をとるとしています。
子どもを預けている保護者からは、休園になった場合に「仕事をどうするか」など悩む声が聞かれました。
親「仕事も行っているので、2週間くらいは休まないといけないとなったら収入の面もあるし、いつ(休園に)なるかわからないのが怖い」
親「まだマスクもできない子もいるので保育園が休みになったらどうしようかなという気持ちもあります」
親「2人は家で見られないのでなかなか自主的に休ませてというのも難しい。楽しそうに通っているので休ませて遊べないのも逆にかわいそう」
子どもたちを預かるだけでなく集団生活を学ぶ場としても重要な役割がある保育施設。
園ではおもちゃや机など子どもが触れる場所をこまめに消毒しているほか換気を徹底するなどの対策をとっていますが、心配なのは「感染」だけではないと
いいます。
認定こども園くすの木祇園 堀江宗巨園長「子供の成長・発達は担保されないといけませんから、そこの整合性をどうとっていくか非常に悩ましいですね。0~5歳は人間の成長・発達の中で最も変化の激しい年代で、その瞬間は二度とこない。そこにさまざまな制限・制約はなるべくかからないようにしたい」
依然、収束の兆しが見えない新型コロナ。感染対策と成長・発達の両立が求められる保育の現場では、葛藤が続いています。