この冬は新型コロナに加えて、インフルエンザの流行が懸念されています。広島県内の見通しと対策など専門家に聞いてみました。
広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「新型コロナも増えるのではないか。インフルエンザは時期が時期なので、両方増えるのではと心配されている」
専門家も新型コロナ、インフルエンザの同時流行へ警戒を強めています。厚生労働省は5日、オーストラリアなど南半球でのインフルエンザの流行や行動制限、水際対策の緩和などから、今後新型コロナとインフルエンザが同時期に流行する可能性が「極めて高い」という分析を示しました。
広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「インフルエンザは冬だといっても、新型コロナは季節性がはっきりしないが、もともと風邪の原因でやはり冬に多かった。年末年始にかなり増えたこともあり、これから3カ月後やはり両方増えるのではないか」
おととしと去年の冬、新型コロナの感染が拡大した一方、インフルエンザの患者は大幅に減りました。そうしたことから、インフルエンザの「抗体」が少ない人が多いと想定され流行への警戒感が高まっていると指摘します。
広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「ここ何年もインフルエンザにかかってないということもあり、免疫の方の緩和もあると考えられる。そういう点で今年は流行するのではないか」
この冬流行が予測される新型コロナとインフルエンザ。重症化の予防などのため大切なのはどちらもワクチン接種だといいます。国は同時流行に備え、今年から新型コロナとインフルエンザのワクチンの同時接種を可能とする新たなルールを定めました。同時接種に心配な点はないのでしょうか?
広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「2~3回目のコロナのワクチンしんどかったよねという方は、あえて同時にではなく少し間隔をあけて反応を見て計画されるというのがいいのでは」
そして、同時流行で懸念されるのは医療のひっ迫です。
広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「今までやってきたことを続けていただきたい。社会生活の中での感染対策をやっていく必要がある。コロナだけでもひっ迫しているのでインフルエンザの流行も同時に起きたら医療のひっ迫になる。必要であればオンライン診療を」
日ごとに寒さが増すなか同時流行が懸念されるこの冬は「ワクチン接種」と「適切な感染対策」についていま一度考える必要がありそうです。