今また増加傾向にあり、第8波到来への警戒が強まる新型コロナ。そしてこの冬はインフルエンザの同時流行の懸念も…
県内の現状や対策を専門家に聞いてみました。
広島大学病院 小児科医 岡田賢教授「いったん、落ち着いたような状況ですが消え切らない一定数の患者さんが常に存在するという状況です」
広島大学病院の岡田賢教授は、感染者数が増加傾向にある現状に警戒を強めています。
県内では第7波のピーク時、過去最多の8774人を記録。その後は減少傾向にあり、先月中旬にはおよそ400人まで減りましたが、それ以降は断続的に
前週を上回る状況になっています。
その背景には若年層からの家庭内感染が多く見られていると岡田教授は指摘します。
岡田教授「お子さんの感染がやはり多くて、お子さんから家族に持ち込んでというのがパターンが今も多い」
県内の3回目ワクチン接種率を年代別に見ると10代が最も低く36.3%という結果に。この接種率の低さがそのまま感染拡大につながっているといいます。
そんななか湯崎知事は、更なる感染増加が予想される年末年始が近づく前の積極的なワクチン接種を訴えました。
湯崎英彦知事「この冬の感染拡大を少しでも抑えるため、多くの皆さんに積極的に接種を検討してほしい」
そして、この冬に懸念されているのはコロナ第8波とインフルエンザの同時流行です。
岡田先生「(現在は)インフルエンザは流行というよりは散発的に出ている話を聞いている。ただ、夏のオーストラリアの流行状況を考えると今年冬日本で流行があってもおかしくない状況ではあります」
例年、流行する時期は12月末から2月ごろと言われ、年明けに増加傾向にある新型コロナの感染拡大と重なる恐れがあるとしています。
岡田賢教授「コロナの流行が重なると発熱をしたときのインフルエンザかコロナか、混乱するような事態になってもおかしくない。医療のひっ迫とならないことを祈っているが備えておく必要がある」
今年、同時接種が可能となった新型コロナとインフルエンザのワクチン。岡田教授は今の時期に両方の接種をしておくのが望ましいと話します。
岡田先生「我々もワクチンの有効性そして安全性について正しい情報を伝えていく必要があると思う。これに基づいて皆さんが接種の是非について考えても
らう。そういうことが進んでいったらいいと考えています」