県内各地に爪痕を残した西日本豪雨。雨がやんだあとも福山市ではため池が決壊し女の子が犠牲になりました。あの日から5年、遺族の戦いは続いています。
3歳で犠牲となった孫…福山市に住む甲斐恭隆さんは毎年欠かさず手を合わせますが「なぜ」という思いが消えることはありません。
甲斐恭隆さん「(朱莉さんに)もしものことがあったらじいちゃんが絶対に許さないと約束したことを思い出しながら(読経した)」
5年前の7月7日、雨は昼までにはやんでいたといいます。当時3歳の朱莉さんは自宅にいました。そこへ西日本豪雨の雨で高台のグラウンドが崩落。流れ込んだ土砂はため池を決壊させ土石流が襲いました。
甲斐恭隆さん「原因から責任から今後それをなくしていく方策まできちっと整理をしないといけないと気づかいのいる時間(5年間)だったかなと」
あれか5年、決壊すると住宅に被害を及ぼす恐れのあるため池の選定は進みました。福山市内には1103カ所あり、管理者がいない142カ所は廃止が予定されています。
枝広直幹市長「(2030年までに)すべて終えられるかどうか現時点で見通しが立っておりませんが、できるだけスピード感をもって改修工事につなげていきたい」
国の補助が得られる2030年度までに終えられるのか。甲斐さんは一刻も早い対応を願っています。
甲斐恭隆さん「生命・財産・住むところ、これ全部なくなったわけですからできるだけ危険をなくしていく方向でとにかくスピード感をもって進めていただきたい」
ため池の決壊はなぜ防ぐことができなかったのか、どこに責任があるのか、朱莉さんの両親が市などを相手取った裁判はまだ続いています。