任期満了を1か月半後に控える中で突然の表明でした。
岸田総理「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くこと」
緊急の会見を開いて自民党総裁選に出馬しない意向を表明し、総裁選では「新生自民党を国民に示すことが必要」だと訴えました。
突然の表明を受け号外が配られた地元広島では驚きの声も聞かれました。
「辞める?辞められるんですか?支持率が下がっているので評価はあまり良くないのかなと」「G7サミットが広島でというのは良かったかもしれないが、景気や減税のことなどちょっとなと思うことはあった」
川村凌記者「こちらの和菓子屋では岸田総理の顔が描かれたお菓子が販売されています。その名もふみきゅん焼きです」
県内産のモチ米や小豆に加え、宮島でとれたはちみつなどが使われている「広島ふみきゅん焼き」。どら焼きの生地には粒あんの大福が挟まれているぜいたく~な広島土産です。
岸田総理の名前「文雄」をもじったあだ名の「ふみきゅん」。総理の誕生を祝って呉の老舗和菓子店が作り始めました。
蜜屋 明神明子さん「支持率が落ちると売り上げが落ちるし、上がると売り上げも上がる。たった3年間でしたけど、いろいろなことがありましたので残念」
岸田総理の不出馬表明を受けて「最後の」需要増加を見込み、急きょ製造数を倍にしました。
蜜屋 明神明子さん「このお菓子、これで最後なの?と言われたり、今も注文をたくさんいただいている。それでもこのお菓子は総理大臣のお菓子なので、次の総理が決まったらやめたいと思う」
県内の自民党幹部も…。
自民党県連 中本隆志会長代理「大変驚いていますし、本当に残念です。G7広島サミット以降、全世界から広島は注目を浴びていましたし、本当に残念でなりません」
一方で旧統一教会や自民党派閥の裏金問題などが支持率低下に影響したとして理解を示しました。
自民党県連 中本会長代理「安倍政権や菅政権のいろいろな問題がここへ来て浮上して対応に追われた3年間ではなかったか。本当に苦労されたのではないかと思う」
岸田総理の派閥、旧宏池会に所属した寺田稔元総務大臣も「苦渋の決断」と受け止めました。
寺田元総務大臣「自らが身を引くことで自民党が変わる変わっていく姿を見せるという究極の決断、断腸の思いと感じる」
岸田政権のもとで初入閣するも、政治とカネの問題でわずか3カ月で辞任。
岸田総理が進めた「改革」は時間が経てば評価されるのではないかという考えを示しました。
寺田元総務大臣「政治資金規正法の改正により一定の方向性はついたが、問題はこれからの実行、こうしたものが結実すれば(自民党の)信頼は回復するが、総理としては自ら引くことによって自民党が変わった姿をシンボリックに示したいということでは」
3年で幕を下ろすことになった岸田内閣。
今後については「新たなリーダーを一兵卒として支える」と話しました。