2000年に発生した西鉄バスジャック事件の被害者が講演し、訴えたのは「子どもの居場所づくり」です。
2000年5月3日、当時17歳の少年が西鉄の高速バスを刃物で脅しながら乗っ取った事件。
停車した山陽道の小谷SAで少年は逮捕されましたが、乗客の1人が死亡4人がけがをしました。
バスジャック事件で重傷 山口由美子さん(74)「かなりの出血で意識がもうろうとなり、このまま死んでしまうんだなと思いました」
被害者の1人で顔などに重傷を負った山口由美子さん(74)。25日に若者の就職支援団体が主催したイベントで講演し、当時の状況について語りました。
顔にはいまだに当時の傷跡が…
凄惨な現場を体験しながらも山口さんは抱いたのは「犯人の少年も傷ついていたのではないか」という思いです。
事件後、少年が学校でいじめられて不登校になり家庭環境も悪化していたことを知ります。山口さん自身の娘も不登校だった時期があり、ある時こんな言葉をかけられたといいます。
山口由美子さん「不登校だった(娘が)『私には居場所があった 犯人の少年にはなかった』と発言したことでそうよねと思った」
それ以来「子どもの居場所」の必要性を講演などで訴え続けています。
山口由美子さん「生きづらさを抱えている子どもたちがたくさんいる。1人では誰も生きていけない、誰かとつながる勇気が必要」
参加者「私自身が家庭に居場所がなかった方のものなので居場所の大切さは本当にそう思う。(安心して)会える人とか場所とかがあることはとても大切」
山口さんは第2の事件を防ぐためにも、周りにつらそうな子どもがいたら声をかけてあげてほしいと呼びかけています。