20日も県内では猛暑日となり最も遅い記録を更新しました。異例の猛暑をうけお米や野菜など農家にも影響が広がっています。
太田朱香記者「9月でも厳しい暑さが続いていますが、その影響はおコメにも広がっています」
コメどころ世羅町では近年の厳しい暑さを受けて新しい品種の栽培が進んでいます。おととしから栽培を始めた「にじのきらめき」は暑さに強く、コシヒカリに比べると噛み応えがよく1つぶが大きいのが特徴です。
農事組合法人 アグリテックあかや 内海武博さん「コシヒカリは丈が長くなりすぎました、それによって倒伏に拍車がかかった」
内海さんによりますとコシヒカリは気温が高くなると稲の丈が伸びて倒れやすくなり、機械につまるなど収穫がうまくいかなくなるそうです。
この組合では「にじのきらめき」が栽培の面積を徐々に拡大し、現在ではコシヒカリを超え最大となっています。
内海武博さん「このまま温暖化が進んでいく前提でいえば、品種を変えていくことが必要」
「長すぎる残暑」で冬の野菜にも影響が出ています。
和田萌花記者「まだまだ暑さが続いていますが、冬の野菜・広島菜が芽を出しています」
安佐南区の住宅街にある畑です。よく見てみると小さな、かわいらしい芽が暑さに負けまいと出始めていました。
広島菜農家 髙西雅博さん「この辺にぽつぽつあるのが全部広島菜です。種をまいて三日目です」
冬に最盛期を迎える広島菜ですが、猛暑の影響で芽を出すのに苦労したと言います。
髙西雅博さん「水がなくてこの温度だと発芽がなかなか難しいと思います。暑いと広島菜も人間もへばるので秋らしい気温になってくれたらうれしいです」
中区では8月と9月の雨の量が平年と比べるとおよそ5分の1程度です。
畑ではチューブを使って水を送るなどあの手この手での作業が続きます。
広島菜農家 髙西雅博さん「温度を下げるためにこまめに水を取ったり、栄養剤を入れたりとか例年通り育つように工夫しております。おいしい広島菜を作るためにしっかり農業者として管理していい品質の広島菜を作っていきます」
20日、府中市では36.1℃を観測し今年53日目の猛暑日となりました。福山でも猛暑日となり、県内の最も遅い記録を更新しました。
まさに「夏の延長戦」ともいえる歴史的残暑。しかし21日以降は秋雨前線が南下してくる影響で猛烈残暑は終わりを迎えそうです。