先週、西区で起きた道路の陥没事故。現地を見た専門家は掘っていた地層に原因があると指摘しました。
26日、西区の交差点で道路が約30mと40mにわたり陥没した事故。周辺の建物は陥没の中心に向けて傾き外壁には大きなひびが確認できます。
和田萌花記者「建物は傾いたままですが、道路はかなり整備されています」
市によりますと先週金曜日から行われた陥没部分の埋め戻し工事は28日に終了。しかし、周辺の住民は今もホテルや公民館で避難生活が続いています。
なぜ道路は陥没したのでしょうか。
事故当時、周辺では大雨対策として雨水管の掘削工事が行われていました。
深さは地下およそ30m。
広島市の会見「掘削中にトンネル内部で出水、水が出てきたことが確認され同時期に地上部分の方で道路が陥没した」
周辺に住む人は事故の前に自宅で「異音」を聞いたといいます。
菊田浩二さん「1週間前から地響きみたいな音がずっとしていた。おかしいと思って警察か消防に言おうと思ったらこんなことになった」
地質に詳しい専門家は、掘り進めていた場所が適切ではなかった可能性を指摘します。
日本地質学会 越智秀二さん「(掘っていた場所は)砂れき層ですから砂が詰まっている層は掘りやすいですが硬い『れき』があるとガタガタ刃が当たって振動が起きやすい。その上にやわらかい地盤がありますからそこで液状化が起こって液状化が起これば地下水が抜けて、結局地盤が収縮して沈下、陥没につながっていく」
また、地下だけでなく地表も陥没に影響した可能性があるといいます。
越智秀二さん「陥没を誘発する一つに周りのビルの重みとかもしかしたら昔の橋の土台とかが影響しているのかもしれない。もう少し浅いところに雨水管を持ってくるとか。そうしたらやわらかい地層ばかりだから。でもあえて振動が大きくなるはずの砂れき層を掘っているのは安定性があるからと思ってなのかそこはわからない」