ノーベル平和賞授賞式 田中代表委員「核は一発も持ってはいけない」 歴史的瞬間を原爆資料館でも 広島

広島

ノーベル平和賞の授賞式が行われ、日本被団協の田中煕巳代表委員がスピーチで「核兵器は一発たりとも持ってはいけない」と訴えました。

ノルウェー・オスロで行われた授賞式では日本被団協の箕牧智之代表委員が証書を受け取り、受賞者を代表してスピーチした田中煕巳代表委員はロシアによる核の威嚇などを受け「核のタブーが崩されようとしていることに怒りを覚える」と危機感を訴えました。

日本被団協 田中煕巳代表委員「核抑止論ではなく核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願い。人類が核兵器で自滅することがないよう核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう」

広島からも歴史的な瞬間を見守りました。原爆資料館のホールでは被爆者や市民ら約300人が見守る中、授賞式の様子が中継されました。田中代表委員のスピーチが終わると会場は大きな拍手に包まれました。

15歳で被爆した切明千枝子さん(95)「喜びと同時に不安も残ってなんとも言えない複雑な気持ち。核兵器はかろうじて使われてないでいるが、本当の平和がいつになったらくるんだろう」

立川直樹記者「ノーベル平和賞の授賞式が行われていたオスロ市役所前です。向いにあるノーベル平和賞センターの目の前には多くの人が集まり、このあとたいまつによるパレードが行われる予定です」

現地オスロでは授賞式の後に受賞者を祝福する恒例のたいまつ行列が行われました。

被団協の代表団は12日までオスロに滞在し、核兵器の廃絶などをあらためて訴える予定です。