ノーベル平和賞授賞式にあわせてオスロを訪れていた高校生平和大使たち。世代を越えて思いをつなぐ活動を追いました。
11日夜、ノルウェーのオスロ大学で開かれた被爆証言会。大きな教室は人でいっぱいになっていました。
始まる前、熱心にスピーチの準備をしているのは基町高校2年生の甲斐なつきさん(17)曾祖父母が被爆者という被爆4世の高校生平和大使です。
高校生平和大使 被爆4世 甲斐なつきさん「みんな強い志を持ってここに来ている。高校生平和大使ならではの悩みについても相談ができるのですごく心強い存在になっています」
Q.高校生平和大使ならではの悩みってなんですか
甲斐なつきさん「スピーチに追われて大学生に怒られて…泣きながらスライドを作って…」
今回のオスロ訪問を支えているのが、かつて高校生平和大使を経験した大学生の存在です。
元高校生平和大使 東京大学4年(基町高校卒)牟田悠一郎さん「こうやって高校生たちをサポートしながらいろんな海外派遣でスピーチをして活動しています」
これまでの活動で広げてきたコネクションを生かしてイベントの設定や通訳を行い活動をサポートしています。
生後9カ月で広島で被爆 金本弘さん(80)「こういう人たちが何百人も、生き残った人が自分の家へ帰っていく姿です」
証言会では生後9カ月のとき広島で被爆した金本弘さんら3人の被爆者が現地の人たちを前に被爆体験を証言しました。
そして、いよいよ甲斐さんら高校生平和大使たちのスピーチです。
高校生平和大使 基町高校 甲斐なつきさん「原爆の惨禍を目の当たりにした日本で生まれ育った高校生として、私たちは被爆者の声と意志を継承する役割があると思っています」
高校生平和大使 長崎東高校 津田凛さん(16)「私たち1人1人の力は小さいかもしれませんが、みんなが団結すれば世界平和の実現につながる大きな力になります」
会場は拍手に包まれました。
高校生平和大使 熊本・九州学院高校 島津陽奈さん(16)「めっちゃ反応良くてびっくりした」
高校生平和大使 基町高校 甲斐なつきさん「私たちも発表しながら泣きそうになっていました」
Q.学校の勉強しながら準備した
甲斐なつきさん「ほとんど学校の勉強はできていないです」
島津陽奈さん「テストやばかったね」
Q.プレゼン能力は高まりそうですね
甲斐なつきさん「そうですね、私たちの将来とか進路に役立つ経験になると思います。(大使として)派遣される前は医療系に進もうか国際関係に進もうか迷っていたんですけど、今は両方プラスしたような職業があれば就きたいと思っています」