広島市内でもクマの目撃情報は珍しくなくなっています。クマの出没で一部休園を余儀なくされた動物公園がそれを逆手に取ったイベントを行っています。
「これクマがかじって折ったやつですクマが噛んだ後です」
安佐動物公園で行われているのはツキノワグマが残した痕跡をたどるツアーです。クマ本来の姿を知ってもらおうと先月から始めました。
ゆっくりと歩く野生のツキノワグマ。去年は複数回にわたって園内のカメラで姿が確認され、西園を2カ月近く閉鎖していた時期も・・・
この閉鎖によって人気のあるレッサーパンダが公開できなくなる事態に。しかしクマの出没をプラスの機会へ繋げました。
「ここに木の綿があって手がこうかかってますよねで頭の位置この辺」
痕跡ツアーには家族連れなど約30人が参加。クマが好むドングリに似た栄養価の高い「椎の実」も試食…
参加者「ちょっと苦いです、全然甘くない」
担当者「たぶんねお菓子の甘さって想像するとねあれなんだけど野生にある物の中では甘いです」
木の幹に残った爪痕も探します。
参加者「面白かったです。クマの事だけじゃなくって動物園でどういう工夫をされているかとか、食物連鎖のこととか勉強できることがいっぱいあったのですごい楽しかったです」「どんな食べ物を食べるとか家の近くでは知れないことがこの安佐動物公園に来て知れてとってもうれしい気持ちになっています」
ツアーのあとは専門家などによる「動物園に訪れたクマ」がテーマの講演会も開催。
広島市安佐北区役所 農林課 飯塚康博課長「平成25年度は(安佐北区の出没件数)44件に対して令和5年度74件という形で増えております」
またクマの糞をDNA鑑定し、母クマと子グマが西園などを行き来していることなど発表しました。
安佐動物公園 学芸員 畑瀬淳さん「(クマが)園内に出て痕跡をたくさん残してくれましたので、本当のクマの姿を知っていただくために、興味を持っていただくことにもつながると思いまして、今後も何らかの形で継続できればなと考えています」