自治体の「貯金」に当たる財政調整基金が府中市でなくなるかもしれません。
異例の事態に市は節約予算を発表しました。
府中市・小野申人市長
「府中市は現在本当に厳しい財政状況にあることは事実ではありますが本日ご説明する取り組みを強い覚悟と決意を持って実行する」
宿場町として栄え、人口3万4千人余りの府中市が揺れています。
市の貯金にあたる「財政調整基金」は災害など緊急時の財源として活用されますが、枯渇する可能性があるといいいます。
2017年度は40億円以上ありましたが、今年度末では半分以下の15億円まで減る見込みで、今のペースでは2026年度にはなくなる可能性があります。
原因は積極的な投資。
文化センターの耐震工事や市民プールの建設などによる歳出超過が続き、近年は足りない財源を「財政調整基金」から切り崩して運営していました。
府中市・小野申人市長
「限られた予算の中でも市民生活やサービスを決して落とさない形で職員一丸となって取り組んでいきたい」
市は一般会計で前の年から34億6千万円少ない新年度の「節約予算」を
発表しました。
市長の給与10%カットや年単位で採用する職員を40人削減。
年およそ12万人が訪れるこどもの国ポムポムは無料から有料に。
100歳のお祝い金1万円は廃止される予定です。
上下町の木造芝居小屋「翁座」は改修工事が休止されるなど見直し事業は
300件にのぼります。
30代女性
「無料じゃなくなるのはおどろき。正直ちょっと困るかな」
70代女性
「うれしいのはうれしいけど赤字になるよりは自分たちがいらないって言った方が若い人に借金を残すよりは仕方ないかなと」
市は他の基金からもねん出していますがこちらも来年には底をつく予定で、厳しい財布事情が続きます。