勾留中の男との接見を広島地検の担当検事に拒否されたのは不当だとして、弁護士が国に330万円の損害賠償を求めた裁判で広島地裁は国に33万円の支払いを命じました。
訴状などによりますと2022年9月、原告の弁護士は殺人容疑で勾留されていた男と接見するため広島地検を訪問しました。
しかし担当検事は接見の申し出に取り合わないまま30分以上取り調べを続けたということです。
弁護士側はこの対応に対し「被疑者とすぐに接見することができず検事による取調べの状況を知ることも、取調べに対する対応を相談して助言を与えることもできなかったことは接見交通権や弁護権の侵害にあたる」などとして国を相手にあわせて330万円の賠償を求めていました。
26日の裁判で吉岡茂之裁判長は「弁護人から被疑者との接見の申し出があったときはいつでも接見の機会を与えなければならないのが原則」としたうえで検事が「接見を認める義務に違反した」と指摘。
原告は「賠償に値する精神的苦痛を被った」などとして国に33万円の支払いを命じました。
裁判後に開かれた会見で原告側は「判決を受けてきちんと反省していただき捜査の在り方を見直してほしい」と話しました。
広島地検は「国側の主張が一部認められなかったことは遺憾。早急に協議して今後の対応を検討したい」とコメントしています。