ピンチの“巨大病院”計画 建設費大幅増…どうなる新病院 広島

広島

広島駅北口に計画される新病院について、建設費の大幅な増加など見通しの甘さが指摘されています。4つの病院をまとめて全国トップの医療を目指す計画はどうなるのでしょうか。

宮崎 康則県議「本当にこのまま計画通りに進めても大丈夫なのか?」

県議会で議論となっているのは計画変更を余儀なくされている新病院構想です。広島駅北口に誕生する新たな医療拠点。課題にのぼっているのはお金です。

〈テーマ1〉建設費の高騰

湯崎英彦知事「東京・大阪の大都市圏の病院に比肩する全国トップレベルの医療をすべての県民に提供し続ける病院を作る」

2030年度の開業に向け再来年ごろから建設工事が始まり、当初想定していた整備費は1300~1400億円でした。しかし、物価高騰の影響で30%以上の建設費上昇が見込まれる事態となっているんです。

コスト削減のため、県はJR病院の解体をやめて医療施設として活用し、駐車場は別の場所に整備する案を検討。また、医療機器数の削減なども視野に計画を見なおし、整備費を当初の想定通りに抑えようというんです。

〈テーマ2〉県が25億円を貸付

岡森 吉宏記者「新病院を巡るもう一つの問題それは、資金繰りです。新病院の開業への資金不足を補うため県が25億円貸し付けるというんです」

県は今年4月、新病院を経営する独立行政法人を立ち上げる予定ですが、設立時に必要な資金が不足していることが発覚。県が25億円を貸し付ける事態になっているんです。

井原 修県議「しょっぱなから運転資金が足らないような事業はやるべきではないというのが最初にある。『面積が変わるんですか?』『さぁ・・・』『駐車場はいくらかかるんですか?』『さぁ・・・』って財政的にも要件的にも何も決まっていない」

一方、県は「今後の建築コストや人件費の上昇に加え医療ニーズの変化も見込んだ上で必要な見直しをする」と説明するにとどまりました。

新病院に立ちはだかるお金の誤算。果たして計画通りに開業できるのでしょうか?